ベランダ菜園 成功のコツ vol.1陽ざしを求めて:植物が喜ぶ「置き場所の高さ」とは

ベランダでの野菜やハーブ栽培は、日々の暮らしに彩りを与えてくれる素敵な趣味です。これからベランダ菜園を始めたい方、あるいは「もう少し元気に育てたいな」と感じている方へ、成功のためのささやかな「コツ」をお届けいたします。

記念すべき第1回目は、ベランダでの栽培において意外と見落とされがちな「鉢やプランターを置く場所の高さ」についてお話しいたします。

なぜ「高い位置」が重要なのでしょうか? ~ 十分な光を届けるために

植物が健康に育つためには、太陽の光が欠かせません。光合成によって、植物は自分で栄養を作り出しているからです。しかし、ベランダという空間は、マンションの壁や手すり、周囲の建物によって、お庭のように一日中たっぷりと日が当たるとは限りません。

特に、太陽の位置が低くなる晩秋冬春の寒い時期は、ベランダの床面まで光が届きにくくなります。

そこで効果的なのが、鉢やプランターを少し高い位置に置くことです。専用の棚を利用したり、安定した台の上に置いたりすることで、手すりや壁による日差しを遮る影響を減らし、植物に太陽の光が少しでも多く当たるようにすることができます。

これにより、特に光が貴重な寒い時期でも、植物が必要な光を受けやすくなり、元気に育つ助けとなるのです。

季節による調整も大切です ~ 夏の強い日差しへの対応

「高い位置が良い」とお話ししましたが、一年を通して常に高い位置が良いとは限りません。

特に夏暑い季節は、太陽の光が非常に強く、植物にとって負担になることがあります。強すぎる日差しに長時間当たると、

  • 葉が傷んでしまう葉焼け
  • 実の色が悪くなったり、傷んだりする実焼け
  • 土がすぐに乾いてしまい、植物がしおれる水切れ

といった問題が起こりやすくなります。

夏の猛暑期には、植物の種類によっては、日差しの強すぎる時間を避けるために、少し低い位置に移動させたり、遮光ネットなどを利用して適度に光を遮ったりする工夫が必要になります。季節や植物の種類に合わせて、置き場所の高さを調整してあげてください。

安全なベランダ菜園のために ~ 危険防止と避難経路の確保

鉢やプランターを高い位置に設置する際には、何よりも安全への配慮が不可欠です。

  • 落下等・危険防止: 不安定な場所に置くと、風や振動で鉢が落下し、大変危険です。下の階の方や、ベランダの下を通る方に怪我をさせてしまう可能性もあります。必ず、ベランダ用の頑丈で安定した棚を利用するか、しっかりと固定できる場所に置いてください。台風など強い風が予想される際は、棚から下ろしたり、室内に移動させたりする等の対策を必ず行いましょう。
  • 避難経路確保: ベランダは、地震や火災といった緊急時に避難するための経路となることがあります。特に、隣の住戸との間を隔てている隔て板の前や、床にある避難ハッチの上には、避難の妨げになるような物を置かないようにしましょう。高い棚などを設置する際は、これらの避難経路確保を妨げない配置を十分に確認してください。

おわりに

ベランダ菜園を成功させるための第一歩として、「鉢やプランターを置く高さ」が光の確保や季節の対応に繋がることをご紹介しました。また、安全に楽しむための注意点も大変重要です。

植物の成長を助けるための光の量と、安全な設置場所。この二つを考慮して、植物にとって心地よく、私たちにとっても安心できる置き場所を見つけていただけたら幸いです。

次回は、ベランダ菜園の別のコツをご紹介いたします。どうぞお楽しみに。

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