オカワカメ【超簡単】夏に貴重な葉野菜!今注目のスーパーフード

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オカワカメは、つるを伸ばして育つ多年草で、栄養価が高く、ぬめりのある葉が特徴のスーパーフードです。見た目は観葉植物のように涼しげで、育て方も比較的簡単。一度根付けば丈夫で、病害虫の心配も少ないため、ベランダ菜園初心者の方にもおすすめです。最近はグリーンカーテン・防災食としても注目されています。

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目次

オカワカメとは?

オカワカメは、熱帯アメリカおよび熱帯アジア原産のつる性植物です。
別名、雲南百薬(うんなんひゃくやく)・アカザカズラ・ぬるっぽ、などと呼ばれます。

オカワカメの基本データ

学名 / 和名Anredera cordifolia / アカザカズラ(赤蔓) 通称:オカワカメ、雲南百薬
科・属ツルムラサキ科・アカザカズラ属
原産地熱帯アメリカ、熱帯アジア
連作障害少ないが、2〜3年おきの輪作が望ましい
病害虫ほとんど発生しないが、まれにアブラムシ、ハモグリバエ、うどんこ病などに。
発芽適温(地温)20~25℃
成育適温(気温)10~30℃(発芽・生育最適)
発芽までの日数7~14日
収穫まで2~3ヶ月
土壌酸度pH6~6.5
耐寒温度2℃
耐暑温度35℃
種のまき時4月下旬〜5月中旬(むかごを使用。種子は発芽まで時間がかかる)
植え付け時期5月上旬~中旬(市販苗、前年に採取したむかご、または掘り起こした塊根を使用)
プランターサイズ10号鉢、60サイズ深型推奨(縦横60×30cm、深さ30cm、容量10〜12L)
株間20cm
特徴多年草だが日本では一年草扱い。つる性で生命力が非常に強く、栄養価が高い。
栽培ポイント日当たり・水はけ良い土、支柱・誘引用ネットで誘引、摘心で脇芽が増え、葉の収量が大幅にアップ、冬は防寒対策
トラブルQ&A Q. 苦味・エグ味が強い →肥料過多による。肥料濃度を薄めにする。
Q. 葉が縮れる → アブラムシの可能性。葉裏を確認し、水で洗い流す。
Q. 白い粉がつく → うどんこ病。風通しを改善し、混み合った葉を剪定。

オカワカメは万能野菜

日本には中国から長寿の薬草として伝わった歴史があり、「雲南百薬」という呼び名もその由来に基づいています。「百薬」という名前の通りに栄養価が高く、鉄分・カルシウム・βカロテンなどを多く含むため、健康志向の方にも注目されています。

夏の葉もの野菜が少ない時期にもオカワカメは重宝します。
オカワカメの葉は茹でると見た目がわかめにそっくりになり、美味しく食べることができます。

暑さに強く、日本では沖縄など暖かい地域でよく育てられています。寒さにはやや弱く一年草扱いですが、温暖地ではベランダなどでも冬越しでき、手軽な野菜として初心者の方でも簡単に栽培できます。

また最近では、グリーンカーテン・防災食としての利用も注目されています。

オカ三兄弟|まるで海藻?ユニークな「丘」野菜たち

豆知識 

「オカワカメ」「オカヒジキ」「オカノリ」は、総称してオカ三兄弟とユニークな名前で呼ばれることがあります。共通点は名前に「オカ(丘)」がついていること。いずれも海藻に似た見た目や食感を持ち、まるで丘に生える海藻のようでもあります。

オカ三兄弟の その他2種類の特徴を紹介します。

※商品のリンク先は時期により在庫切れとなっている場合があります。

オカヒジキ(ヒユ科)

見た目は細くとがった葉が集まり、まるで陸上で育つヒジキのよう。シャキシャキとした歯ざわりが特徴で、サラダや和え物によく使われます。さっと湯がくだけで食べられ、クセが少ないのも魅力です。

オカノリ(アオイ科

加熱するとトロッとした粘りが出て、風味が海苔に似ていることからこの名前に。葉は平たくやや丸みがあり、乾燥させて焼いて、そのままいただいたりします。和食によく合う味わいです。

育てて食べてみたい3兄弟

これらの「オカ三兄弟」は、どれも個性がありながら、日本の食卓にもよくなじむ野菜たちです。見た目や名前のインパクトに加え、健康的で美味しいという魅力もたっぷり。知らなかった方も、この機会に覚えておくと、新しい野菜選びが楽しくなります。

オカワカメの購入方法|苗・ムカゴ・種芋はどこで買える?

ベランダでも育てやすく、栄養豊富なオカワカメ。
ここでは入手方法について詳しくご紹介します。

オカワカメの入手方法

オカワカメは、一般的な野菜と比べて流通量が多くありません。
そのため、購入方法を把握しておくとスムーズに育て始められます。

形態入手時期入手先特徴
販売:春〜初夏
・春〜初夏に育苗
園芸店・ネット通販植え付け後すぐに育ちやすい
ムカゴ販売:春〜初夏に多い
・秋〜冬に採取・保存
栽培株から採取・一部通販種のように扱え保存も可能
塊根販売:春〜初夏に多い
・冬〜春に掘り上げ
自家栽培・一部通販芽が出れば成長は早い

(ポット苗)

  • 最も手軽で確実な方法です。
  • 春〜初夏(4月〜6月頃)に園芸店やネットショップで出回ります。
  • 植え付け後すぐに成長が見込め、初心者におすすめです。

ムカゴ(地上部の葉腋(ようえき)にできる小さな球状の種のようなもの)

  • 秋に収穫されることが多く、乾燥状態で販売されることもあります。
  • 種のように播いて育てられますが、発芽や初期成育にはやや時間がかかります。
  • 自家採取で翌年以降も活用できます。

塊根(地中の根=種芋のような部分)

  • 越冬させた株の根を分けて育てる方法です。
  • 冬〜春先に出回ることがあります。
  • 苗と同様、比較的安定して育てやすいですが、販売は限定的です。

購入できる場所

オカワカメを購入できる場所は、園芸店・ホームセンターなどの実店舗、総合ショッピングモール・種苗会社の通販サイトなどがあります。

実店舗では商品の状態を見て購入することができ、通販サイトでは気軽にネットでオンライン購入ができることが多いです。

園芸店・ホームセンター

  • 実際に商品を手にすることができ、状態などを確認してから購入できます。
  • 苗の販売がメイン。地域や店舗によって取り扱いが異なります。
  • 春先に野菜苗コーナーをチェックしてみましょう。

オンラインショップ

  • 外出することなくご自宅などからインターネットで購入可能です。
  • Amazon・楽天市場などの総合ショッピングモール、園芸店・種苗会社の通販サイト、メルカリなどのフリマサイトなどがあります。
  • 苗・ムカゴ・塊根など選択肢が広く、レビューも参考になるのがメリット。
  • 送料や配送時期に注意が必要です。

時期により在庫切れとなっている場合があります。

オカワカメのおすすめ購入先は【メルカリ】

オカワカメは種苗法(※1)において、登録品種として指定されていないため(※2)、自家増殖(※3)可能な野菜です。
そのため個人で増やした苗・ムカゴ・塊根を販売・購入することが可能となっております。

オカワカメの苗やムカゴを購入する場合、ネットのショッピングモール、園芸・種苗会社のサイトでは品質や保証がしっかりしていることが多いですが、種と違って送料が高かったり別料金になることがネックです。またムカゴや塊根は入手しずらい傾向があります。

その点、メルカリでは送料が比較的安く抑えられ、出品者が送料を負担してくれるケースも多いのが魅力です。また、個人出品が中心、苗の他にむかごや塊根も少量から購入可能で、タイミングによっては掘り出し物やお得なセットも見つかります。

このようにオカワカメの購入は、送料や価格の面や入手のしやすさから、メルカリが非常におすすめです。
個人間取引が中心なので、出品者の評価や過去の取引実績、商品説明を確認し、信頼できる相手から購入することが大切です。

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購入時の注意点

  • 発芽率や状態を確認できるショップを選びましょう。
  • 特にネット通販では、配送タイミング・在庫切れに注意。
  • 「雲南百薬」「アカザカズラ」という別名でも販売されている場合があります。

オカワカメは一度育てると毎年ムカゴが採れるので、翌年以降は種まきのように活用できます。


オカワカメの植え方

オカワカメは「苗」から育てるのが一般的ですが、「ムカゴ」や「塊根(かいこん)」からも育てることができます。それぞれの方法について紹介します。

オカワカメ:苗の植え方

最も一般的で失敗が少なく、育てやすい方法です。

時期
気温が安定して暖かくなる、4月下旬~6月頃が適しています。(気温が安定して15℃以上が目安)

手順

  • 深めのプランターに野菜用培養土を用意。(深さ25cm以上推奨)
  • 土に植え穴をあける。(ポットの土の高さと同じくらいの深さになるように調節)
  • 植え穴に水を注ぐ。(根が水を求めてよく伸びるように)
  • 根鉢を崩さず、優しく植え付ける。
  • 植え付け後は、鉢底から水が流れるくらい、たっぷりと水を与える。
  • 根付いたら、水やりは控えめにすると根腐れ防止になる。

ポイント
つるが伸びる前に支柱やネットを準備しておくと安心です。

タワー型・柵・合掌作りなど、組み立ていらずの支柱

パーツを継ぎ足して高さを調節できる軽量タイプ

オカワカメ:ムカゴの植え方

ムカゴとは、オカワカメのつるにできる小さな球状の部分で、種のような役割を持ちます。これを利用して育てることも可能です。

時期
暖かくなった頃(5月〜初夏ごろ)に行うのが理想です。

手順

  • プランターの土に割り箸などで土に2cmの穴をあける。
  • ムカゴを置き、周りから土を被せる。
  • 表面の土を、平らにならし、たっぷりと水やり。
  • 発芽まで乾かさず、管理(約1週間。ひなたでOK)。
  • 生育の良いものを残して間引く。
  • 根付いたら、水やりは控えめにすると根腐れ防止になる。

ポイント
発芽と初期成長はゆっくりですが、根付けば力強く育ちます。

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植え穴に入れたムカゴ
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芽が出たムカゴ

オカワカメ:塊根の植え方

オカワカメは冬になると地上部が枯れますが、土の中に大きな塊根が残ります。この塊根を使えば、翌年も育てられます。

時期
春(4月頃)、暖かくなってから

手順

  • 冬越しさせた塊根を掘り出す(寒冷地では室内で保存)。
  • 表面がしっかりしていて腐っていないものを選ぶ。
  • プランターに深めに植え付ける(深さの目安:塊根の上部が土から3〜5cm程度下になるように)。
  • 大きい塊根の場合、横向きに寝かせてもOK。
  • 水を与え、発芽を待つ(1〜2週間)
  • 根付いたら、水やりは控えめにすると根腐れ防止になる。

ポイント
肥大した塊根は貯蔵力があり、乾燥にも比較的強いです。春まで冷暗所で保管できます。

成長すると大株になるため、プランターは10号鉢以上の深めでしっかりした作りのものがおすすめです。

以上のように、育てる手段は豊富です。はじめは苗からスタートし、ムカゴや塊根で翌年以降も育てていく、という循環もおすすめです。

仕立てと育て方

栽培には安定する深めのプランターが適しており、つるがよく伸びるため支柱やネットの設置は必須です。

土は市販の野菜用培養土で問題なく、生育期に液肥を定期的に施すと葉の成長が安定します。

肥料を多く与えると、独特のクセやえぐみを強く感じます。気になる方は1回ごとの施肥の量を控えめにしてみると良いでしょう。

誘引:支柱と紐(ひも)がおすすめ

きゅうりネットなどの野菜栽培用のネットは、植物自体がツルを伸ばした時に絡みやすいのですが、オカワカメの場合は、網目一つひとつにツルが細かい螺旋(らせん)状に絡まっていきます。この状態では片づける際、茎葉を取り除くのに少し手間がかかります。

支柱を3本使って上部を一点ヒモで縛り、ピラミッド型に組んでツリー状にして仕立てるのが簡単な方法です。トピアリー型の支柱を使っても良いでしょう。横に伸ばす場合は、更に紐を渡すと片づける時に楽になります。

ベランダで柵の近くで栽培する場合は、さらに細かい網目のネットや遮光ネットなどをはると、柵にツルが絡んでしまうのを防ぐことができます。

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ツリー型に仕立てたオカワカメ
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ツリー型に仕立てていたツルをほぐして横に広げている様子

グリーンカーテンとしても利用可能

摘心と誘引方向が肝心!

オカワカメはつる性植物なので、誘引なしでも自分で上に伸びていきますが、そのまま放っておくと一本の長いツルばかりが伸びてしまいます。摘心(先端を摘み取ること)を繰り返すことで脇芽が出て、葉の数も増え、収穫量がアップします。
ベランダでは縦横両方向に広げるように支柱やネットで誘引すると、スペースを有効に使えます。他の植物を夏の強い日差しから守ることもできますね。

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オカワカメの摘心
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摘心したオカワカメの先端

近年の暑さ対策として注目されているグリーンカーテン。オカワカメは葉が密に茂るため、直射日光を遮る自然のカーテンとしても活用できます。

一般的にグリーンカーテンはゴーヤが有名ですが、実をつけないオカワカメは、そのぶん手入れが簡単です。食用と日除けの両立ができ、見た目も涼しげで楽しめます。

オカワカメは最初の成長がややゆっくりなため、ベランダでグリーンカーテンとして育てる場合には、早めの植え付けをおすすめします。摘心を繰り返しながら、縦だけでなく横方向にも誘引していくと、より広がりのあるグリーンカーテンになります。勢いがつくと切っても切っても伸びてきます。頑張って食べましょう。

1年目からグリーンカーテンとして仕立てたい場合は、複数の株を入手して育てると良いでしょう。

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オカワカメのグリーンカーテン 花が咲いている様子

株が育ってくると、秋には白くて綺麗な花が咲きます。我が家のオカワカメは2年目から開花しました。
花は観賞用になりますが、大株になったオカワカメの花は、藤の花の房に似ています。

収穫と食べ方

オカワカメの収穫

葉は大きくなったものから順次収穫できます。
または伸びた茎やツルごと摘心しながら収穫しても。脇から新芽が出てさらに葉・茎が増えていき長く楽しめます。

オカワカメの食べ方(アレルギーなどにご注意を)

オカワカメの葉は、さっと茹でておひたしや和え物、味噌汁、炒め物などに使えます。ぬめりがあり、名前の通りワカメのような食感が魅力です。

オカワカメのムカゴは軽く塩茹でにしたり、素揚げにしたりすると、ホクホクした食感を楽しめます。
我が家では甘辛煮の味付けが好評です。

オカワカメの塊根(地下にできる根の塊)も食べられます。葉や茎、葉腋につくムカゴと同様に、塊根も食用で、加熱調理するとぬめりが出て、味は淡泊で、味付けをして食べるとおいしいとされています。

ヤマイモのようにスライスしたり、すりおろして食べることも可能です。

ただし、初めて食べる場合は、ヤマイモ同様にアレルギー反応が出る人もいるため、少量から試すのが安心です。また、皮や土をしっかり落とし、必要に応じて皮をむいてから調理してください。

オカワカメの塊根を食べる際に注意すべきポイントは、以下の通りです。

  • 成熟度を見極める
    塊根が十分に成長し、適切な収穫時期を迎えているか確認しましょう。未成熟だと食味や栄養価が劣る場合があります。葉や茎が枯れ始めたタイミングが収穫の目安です。
  • 掘り取り時の傷や病気に注意
    塊根を掘り出す際は、傷をつけないように丁寧に扱いましょう。傷が入ると腐敗や病害虫のリスクが高まります。
  • 保存方法
    掘り上げた塊根は直射日光を避け、冷暗所で保存します。早めに消費しましょう。長期保存する場合は、加熱してから冷凍するのも有効です。
  • 食用前の下処理
    表皮の土や汚れをしっかり落とし、必要に応じて皮をむきます。アク抜きや加熱調理を行うことで、ぬめりやクセを和らげることができます。
  • アレルギーや体質への注意
    まれに山芋類と同様のアレルギー反応が出る場合があるため、初めて食べる場合は少量から試すと安心です。
  • 腐敗や異臭がないか確認
    長期間保存した塊根や、表面に異常が見られるものは食用を避けてください。

これらのポイントを守ることで、オカワカメの塊根を安全かつおいしく食べることができます。

オカワカメのシュウ酸について

オカワカメには「シュウ酸(しゅうさん)」も含まれています。
これはほうれん草やタケノコなどにも含まれる天然の成分で、普通に食べる分には心配はいりませんが、たくさん摂りすぎると体に負担をかけることがあります。

シュウ酸は体の中のカルシウムとくっついて「結石(けっせき)」というかたまりを作ることがあるため、取り過ぎには注意が必要とされています。

これも調理をひと工夫することで、安心して食べることができます。

シュウ酸を減らすには? 水とカルシウム!

シュウ酸は水に溶けやすい性質を持っています。
そのため、さっと茹でて水にさらすだけで、かなり減らすことができます。

またカルシウムと一緒に摂取すると良いとされています。

シュウ酸を減らすポイント

  • 沸騰したお湯でゆでる(下ゆで) 。
    通常は10~20秒ほど軽く茹でると良いとされています。
    我が家にはシュウ酸が気になるお年頃(?)の夫がいるので、シャキシャキとした歯応えは少なくなりますが、1分ほど長めに茹でるか、ポットで沸かしたお湯に数分浸すようにしています。
  • その後、冷たい水にさらす

これだけで、オカワカメのクセも取れておいしく食べやすくなります。

さらに食べる大きさにカットしてから茹でれば、茹でる時も水にさらした時にもシュウ酸が溶け出しやすくなります。この場合は、水にさらした後、しぼる時にぬめりが多くでます。

食べるときの工夫 カルシウムと一緒に

また、カルシウムを多く含む食材(ごま・しらす・チーズなどの乳製品)と一緒に食べると、シュウ酸の影響を抑えることができると言われています。
シュウ酸が体内で取り込まれる前に、先にカルシウムと結びつけてしまうという作戦です。


たとえば、おひたしにすりごまをかけたり、ツナしらすと和えたりするのがおすすめです。

我が家では、本物の(笑)わかめと共に、油揚げ、豆腐などカルシウム源とも組み合わせて、お味噌汁に入れてていただくことが多いです。オカワカメの独特なクセがちょっと苦手な子供も、この組み合わせであれば気にせずにいただくことができています。

一度にたくさん食べすぎないように、おかずや副菜として楽しむのもポイントです。

このように考えると、昔ながらの同じくシュウ酸を含む「ほうれん草のお浸し」に鰹節をかけていただく方法は、とても理にかなっているのですね。

栽培終了時:お礼肥えで栄養補給・冬越しの防寒準備を

オカワカメ寒さには弱いため、冬の管理が必要です。
温暖な地域では霜よけをすれば越冬可能です。私はここで防寒対策をかねたお礼肥えもしています。
寒冷地域では塊根を掘り起こして室内で保管し、春に再度植えるのが一般的です。

お礼肥え:シーズン終わりに感謝をこめて

お礼肥え(おれいごえ)とは、野菜や果樹、花木などの植物が花を咲かせたり実を付けたり、収穫が終わった後に「お疲れさま」「ありがとう」という意味を込めて与える堆肥や肥料のことです。これは、収穫や開花で消耗した株を回復させ、翌年も元気に育つようにサポートするために施す追肥の一種です。

オカワカメ:お礼肥えの方法

ベランダでのオカワカメ栽培のお礼肥えは、越冬させることも目的の一つです。
冬の間は、成長のための肥料をあまり必要としなため、成分濃度の高い肥料ではなく、堆肥や野菜用培養土でじゅうぶんです。堆肥には即効性はないため、株元近くまで土を寄せても安心です。

  • タイミング
    花が咲き終わったころ
  • 肥料の種類
    堆肥または野菜用栽培用土
  • 与え方
    プランターの表面全体に施す。
  • ポイント
    土の中の根を寒さから守る役割もあるので、栽培中に土の嵩(かさ)が減っている場合は、厚めに盛りましょう。水やり時にプランター上部から水があふれてしまわないように、ウオータースペースを残すように気をつけましょう。

このお礼肥えを行うと、冬の間オカワカメの株にグッと力が蓄えられて、春先の早いうちから元気に新芽を展開してくれます。

増やし方(ムカゴ・挿し芽・塊根)

オカワカメはムカゴ(葉の付け根にできる小さな球状の芽)や地中の塊根を使って増やすことができます。
また、元気なつるを10〜15cmほどに切って、水や清潔な土に挿す「挿し芽」でも増殖可能です。挿し芽後は日陰で管理し、根が出たら鉢に植え替えます。

冬に株が枯れても、塊根を掘り起こして保管し、春に再び植え直すことで何年も楽しめます。

私が住んでいる中間地の関東のベランダでは、苗を購入して最初の1年目は、枯れることなくお礼肥えをして冬越しができました。これはそのまま掘り出すことなく、同じ鉢で継続して育てました。

次の年はとれたムカゴから苗を育てて新しい鉢を増やしてもう1株栽培しました。新しい2鉢目の株がしっかり成長したのを確認してから、最初の1鉢目の塊根を掘り上げいただくことに。大きく育った塊根は、里芋や山芋のような食感でねっとり美味しいと家族にも好評でした。

栽培時の注意点(自然環境への配慮)

  • 外来種としての側面もあるため、野外に放置したり、逸出させないよう注意しましょう。
  • 特に温暖な地域では繁殖力が強く、半野生化することもあります。

病害虫の対策

オカワカメは病害虫に比較的強く、管理が簡単なのも大きな魅力です。特に虫がつくことなく、農薬も使用せず丈夫に育っています。

オカワカメの虫対策

オカワカメは病害虫に強い植物ですが、まれにアブラムシなどがつくことがあります。見つけたら早めに対処しましょう。

オカワカメの病気対策

オカワカメは病気にも強い植物ですが、元気がない葉・枯れてしまった葉は、取り除くと病気の予防になります。
生育旺盛で次々に新しい葉が生えてくるので、葉の数を気にしなくても大丈夫です。

ベランダ栽培でのポイント:水やりも楽々 置き場にも寛容

オカワカメは強くて丈夫

オカワカメは、つるが旺盛に伸びるため、日照や気温の多少の変化にも耐えられる環境適応力の高い野菜です。しっかり根付けば水切れや日陰にもある程度対応できます。

水やり

水やりは普段は土が乾いているかなと思った時でOK。夏場には週に数回行っていますが、冬場は1週間に一度程度、何かのついでに水を与えるぐらいで大丈夫です。

置き場所

プランターの設置箇所は、大きく育てる場合には、落下などの危険防止のためにもプランターハンガーやラックの高い位置ではなく、安定した地面に置くようにします。風通しなど直接置くのが心配な場合はブロック等を使い、その上に置くようにします。

また日当たりと風通しの良い場所が理想です。が、我が家の狭いベランダでは特等席から順番に他の野菜で埋まってしまうため、オカワカメはいつもすみっこ暮らしです(笑)。

2024年は引越しがあり、あまりお世話ができないままに、酷暑の夏から雪が降った冬を超えるまでの間、ずっと日陰となるコンクリート壁の内側に置いていました。それでも秋には花を咲かせてたくさんのムカゴもつき、翌春には新芽が芽吹いています。

今年の置き場は更に過酷なエアコン室外機の近くになりそうです(汗)。皆さまは、室外機の熱風が直接当たる場所は避けてくださいね。

おわりに:備えておけば、いざというときにも安心

栽培が容易で栄養価の高いオカワカメは、日常的に収穫しながら、ムカゴを保存するなどの工夫をしておけば、万一の災害時にも役立つ食材になります。育てながら備える、そんな暮らし方にもオカワカメはぴったりです。

オカワカメは、栄養価が高く、丈夫でベランダでも育てやすい万能な野菜です。葉はもちろん、ムカゴや塊根まで活用でき、グリーンカーテンとしての実用性も兼ね備えています。
ぜひご自宅で育て、その生命力と味を楽しんでみてください。

オカワカメの栽培カレンダー

作業内容
3月 むかごや塊根の保管中/種まき準備、資材の確認
4月 種まき開始(暖地)/むかご・塊根の植え付け/苗の準備
5月 苗の植え付け適期/支柱・ネットの設置/つるの誘引開始
6月 生育旺盛に/摘心・誘引を開始/追肥(液肥など)
7月 葉の収穫開始/摘心と誘引の継続/むかごの形成始まることも
8月 収穫継続/水切れ・高温に注意/むかごの収穫も視野に
9月 収穫継続(気温次第)/むかご収穫適期
10月 気温が下がる前に収穫終了/塊根の掘り上げと保管準備
11〜2月 地上部枯れる/塊根・むかごの保存/春の準備

参考・引用文献

(※1)農林水産省ホームページ:種苗法の改正について
(※2)農林水産省ホームページ:各都道府県において主に栽培されている品種
(※3)農林水産省ホームページ:種苗法の一部を改正する法律の概要「農業者が登録品種の収穫物の一部を次期収穫物の生産のために当該登録品種の種苗として用いる自家増殖」

種苗法
2020年12月2日:改正法成立
2021年4月1日:一部施行(海外持ち出し制限など)
2022年4月1日:完全施行(自家増殖の許諾制など)

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