プランター|オカワカメの育て方【簡単】ベランダで栄養満点のグリーンカーテン

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オカワカメは、つるを伸ばして育つ多年草で、栄養価が高く、ぬめりのある葉が特徴のスーパーフードです。見た目は観葉植物のように涼しげで、育て方も比較的簡単。一度根付けば丈夫で、病害虫の心配も少ないため、ベランダ菜園初心者の方にもおすすめです。最近は緑のカーテン・防災食としても注目されています。

この記事では、オカワカメの摘心など栽培方法、苗・ムカゴ・塊根の入手方法、食べ方、冬越し方法、気になるシュウ酸について、などご紹介します。

目次から気になる項目をクリックすると、その場所へジャンプします。

目次

オカワカメとはどんな野菜?

オカワカメは、熱帯アメリカおよび熱帯アジア原産のつる性植物です。
別名、雲南百薬(うんなんひゃくやく)・アカザカズラ・ぬるっぽ、などと呼ばれます。

オカワカメの基本データ

学名 / 和名Anredera cordifolia / アカザカズラ(赤蔓) 通称:オカワカメ、雲南百薬
科・属ツルムラサキ科・アカザカズラ属
原産地熱帯アメリカ、熱帯アジア
連作障害少ないが、2〜3年おきの輪作が望ましい
病害虫ほとんど発生しないが、まれにアブラムシ、ハモグリバエ、うどんこ病などに。
発芽適温(地温)20~25℃
成育適温(気温)10~30℃(発芽・生育最適)
発芽までの日数7~14日
収穫まで2~3ヶ月
土壌酸度pH6~6.5
耐寒温度2℃
耐暑温度35℃
種のまき時4月下旬〜5月中旬(むかごを使用。種子は発芽まで時間がかかる)
植え付け時期5月上旬~中旬(市販苗、前年に採取したむかご、または掘り起こした塊根を使用)
プランターサイズ10号鉢、60サイズ深型推奨(縦横60×30cm、深さ30cm、容量10〜12L)
株間20cm
特徴多年草だが日本では一年草扱い。つる性で生命力が非常に強く、栄養価が高い。
栽培ポイント日当たり・水はけ良い土、支柱・誘引用ネットで誘引、摘心で脇芽が増え、葉の収量が大幅にアップ、冬は防寒対策
トラブルQ&A Q. 苦味・エグ味が強い →肥料過多による。肥料濃度を薄めにする。
Q. 葉が縮れる → アブラムシの可能性。葉裏を確認し、水で洗い流す。
Q. 白い粉がつく → うどんこ病。風通しを改善し、混み合った葉を剪定。

オカワカメは万能野菜

日本には中国から長寿の薬草として伝わった歴史があり、「雲南百薬」という呼び名もその由来に基づいています。「百薬」という名前の通りに栄養価が高く、鉄分・カルシウム・βカロテンなどを多く含むため、健康志向の方にも注目されています。

夏の葉もの野菜が少ない時期にもオカワカメは重宝します。
オカワカメの葉は茹でると見た目がわかめにそっくりになり、美味しく食べることができます。

暑さに強く、日本では沖縄など暖かい地域でよく育てられています。寒さにはやや弱く一年草扱いですが、温暖地ではベランダなどでも冬越しでき、手軽な野菜として初心者の方でも簡単に栽培できます。

また最近では、グリーンカーテン・防災食としての利用も注目されています。

オカ三兄弟|まるで海藻?ユニークな「丘」野菜たち

豆知識 

「オカワカメ」「オカヒジキ」「オカノリ」は、総称してオカ三兄弟とユニークな名前で呼ばれることがあります。共通点は名前に「オカ(丘)」がついていること。いずれも海藻に似た見た目や食感を持ち、まるで丘に生える海藻のようでもあります。

オカ三兄弟の その他2種類の特徴を紹介します。

※商品のリンク先は時期により在庫切れとなっている場合があります。

オカヒジキ(ヒユ科)

見た目は細くとがった葉が集まり、まるで陸上で育つヒジキのよう。シャキシャキとした歯ざわりが特徴で、サラダや和え物によく使われます。さっと湯がくだけで食べられ、クセが少ないのも魅力です。

オカノリ(アオイ科

加熱するとトロッとした粘りが出て、風味が海苔に似ていることからこの名前に。葉は平たくやや丸みがあり、乾燥させて焼いて、そのままいただいたりします。和食によく合う味わいです。

育てて食べてみたい3兄弟

これらの「オカ三兄弟」は、どれも個性がありながら、日本の食卓にもよくなじむ野菜たちです。見た目や名前のインパクトに加え、健康的で美味しいという魅力もたっぷり。知らなかった方も、この機会に覚えておくと、新しい野菜選びが楽しくなります。

オカワカメの購入方法|苗・ムカゴ・種芋はどこで買える?

ベランダでも育てやすく、栄養豊富なオカワカメ。
ここでは入手方法について詳しくご紹介します。

オカワカメの入手方法

オカワカメは、一般的な野菜と比べて流通量が多くありません。
そのため、購入方法を把握しておくとスムーズに育て始められます。

形態入手時期入手先特徴
販売:春〜初夏
(春〜初夏に育苗)
・園芸店
・ネット通販
植え付け後すぐに育ちやすい
ムカゴ販売:春〜初夏に多い
(秋〜冬に採取・保存)
・一部通販
・栽培株から採取
種のように扱え保存も可能
塊根販売:春〜初夏に多い
(冬〜春に掘り上げ)
・一部通販
・栽培株から採取
芽が出れば成長は早い
  • (ポット苗)
    • 最も手軽で確実な方法
    • 春〜初夏(4月〜6月頃)に園芸店やネットショップで出る
    • 植え付け後すぐに成長が見込め、初心者におすすめ
  • ムカゴ(地上部の葉腋(ようえき)にできる 小さな球状の種のようなもの)
    • 秋に収穫されることが多く、乾燥状態で販売されることも
    • 種のように播いて育てられるが、発芽や初期成育にはやや時間がかかる
    • 自家採取で翌年以降も活用できる
    • 販売は限定的
  • 塊根(地中の根=種芋のような部分)
    • 越冬させた株の根を分けて育てる方法
    • 冬〜春先に出回ることがある
    • 苗と同様、比較的安定して育てやすい
    • 販売は限定的
オカワカメのムカゴ
オカワカメのムカゴ
オカワカメの塊根
オカワカメの塊根

購入できる場所

オカワカメを購入できる場所は、園芸店・ホームセンターなどの実店舗、総合ショッピングモール・種苗会社の通販サイトなどがあります。

実店舗では商品の状態を見て購入することができ、通販サイトでは気軽にネットでオンライン購入ができることが多いです。

  • 園芸店・ホームセンター
    • 実際に商品を手にすることができ、状態などを確認してから購入できる
    • 苗の販売がメイン。地域や店舗によって取り扱いが異なる
    • 春先に野菜苗コーナーをチェック
  • オンラインショップ
    • 外出することなくご自宅などからインターネットで購入可能
    • ムカゴ・塊根が入手可能なことも

主なオンラインショップ

  • Amazon・楽天市場などの総合ショッピングモール
  • 園芸店・種苗会社の通販サイト
  • メルカリなどのフリマサイト

苗・ムカゴ・塊根の選択肢が広くレビューも参考になるのがメリット。

時期により在庫切れとなっている場合があります。

オカワカメのおすすめ購入先は【メルカリ】

オカワカメは種苗法(※1)において、登録品種(※2)として指定されていないため、自家増殖(※3)可能な野菜です。
そのため個人で増やした苗・ムカゴ・塊根を販売・購入することが可能となっています。

オカワカメの苗を購入する場合、ネットのショッピングモール、園芸・種苗会社のサイトでは品質や保証がしっかりしていることが多いですが、種と違って送料が高かったり別料金になることがネックです。
またムカゴや塊根は入手しずらい傾向があります。

その点、メルカリでは送料が比較的安く抑えられ、出品者が送料を負担してくれるケースも多いのが魅力です。
個人出品が中心、苗の他にむかごや塊根も少量から購入可能で、タイミングによっては掘り出し物やお得なセットも見つかります。

このようにオカワカメの購入は、送料や価格の面や入手のしやすさから、メルカリが非常におすすめです。
個人間取引が中心なので、出品者の評価や過去の取引実績、商品説明を確認し、信頼できる相手から購入することが大切です。>>メルカリでオカワカメを見る

購入時の注意点:各社の規約を守りましょう

運営会社・配送会社により、植物の取り扱い・配送に規定がある場合があります。
購入する際にも、各社の規約等を確認して、正しく利用するようにしましょう。

その他の注意点

  • 発芽率や状態を確認できるショップを選ぶ
  • 特にネット通販では、送料や配送時期・在庫切れに注意が必要
  • 「雲南百薬」「アカザカズラ」という別名でも販売されている場合も

オカワカメは一度育てると毎年ムカゴが採れるので、翌年以降は種まきのように活用できます。

オカワカメの植え方

オカワカメは「苗」から育てるのが一般的ですが、「ムカゴ」や「塊根(かいこん)」からも育てることができます。それぞれの方法について紹介します。

オカワカメ:苗の植え方

最も一般的で失敗が少なく、育てやすい方法です。

時期
気温が安定して暖かくなる、4月下旬~6月頃が適しています。(気温が安定して15℃以上が目安)

手順

  • 深めのプランターに野菜用培養土を用意(深さ25cm以上推奨)
  • 土に植え穴をあける(ポットの土の高さと同じくらいの深さになるように調節)
  • 植え穴に水を注ぐ(根が水を求めてよく伸びるように)
  • 根鉢を崩さず、優しく植え付ける
  • 植え付け後は、鉢底から水が流れるくらい、たっぷりと水を与える
  • 根付いたら、水やりは控えめにすると根腐れ防止になる

ポイント
つるが伸びる前に支柱やネットを準備しておくと安心です。

タワー型・柵・合掌作りなど、組み立ていらずの支柱

パーツを継ぎ足して高さを調節できる軽量タイプ

オカワカメ:ムカゴの植え方

ムカゴとは、オカワカメのつるにできる小さな球状の部分で、種のような役割を持ちます。これを利用して育てることも可能です。

時期
暖かくなった頃(5月〜初夏ごろ)に行うのが理想です。

手順

  • プランターの土に割り箸などで土に2cmの穴をあける
  • ムカゴを置き、周りから土を被せる
  • 表面の土を、平らにならし、たっぷりと水やり
  • 発芽まで乾かさず、管理(約1週間。ひなたでOK)
  • 生育の良いものを残して間引く
  • 根付いたら、水やりは控えめにすると根腐れ防止になる

ポイント
発芽と初期成長はゆっくりですが、根付けば力強く育ちます。

植え穴に入れたムカゴ
植え穴に入れたムカゴ
芽が出たムカゴ
芽が出たムカゴ

オカワカメ:塊根の植え方

オカワカメは冬になると地上部が枯れますが、土の中に大きな塊根が残ります。この塊根を種芋のように使えば、翌年も育てられます。

時期
春(4月頃)、暖かくなってから

手順

  • 冬越しさせた塊根を掘り出す(寒冷地では室内で保存)
  • 表面がしっかりしていて腐っていないものを選ぶ
  • プランターに深めに植え付ける(深さの目安:塊根の上部が土から3〜5cm程度下になるように)
  • 大きい塊根の場合、横向きに寝かせてもOK
  • 水を与え、発芽を待つ(1〜2週間)
  • 根付いたら、水やりは控えめにすると根腐れ防止になる

ポイント
肥大した塊根は貯蔵力があり、乾燥にも比較的強いです。春まで冷暗所で保管できます。

成長すると大株になるため、プランターは10号鉢以上の深めでしっかりした作りのものがおすすめです。
植え替え時に底が抜けて、土などが取り出しやすいこちらを使用しています。

以上のように、育てる手段は豊富です。はじめは苗からスタートし、ムカゴや塊根で翌年以降も育てていく、という循環もおすすめです。

オカワカメの仕立て方

栽培には安定する深めのプランターが適しており、つるがよく伸びるため支柱やネットの設置は必須です。

土は市販の野菜用培養土で問題なく、生育期に液肥を定期的に施すと葉の成長が安定します。

「支柱」がおすすめ:誘引なしで一人で登ってくれます!

オカワカメはつる性の植物のため、自分でつるを出して絡んで成長していきます。
紐でしばったり、クリップで止めたりする必要がなく、基本的に誘引の手間がかかりません。

きゅうりネットなどの野菜栽培用のネットは、植物自体がツルを伸ばした時に絡みやすいのですが、オカワカメの場合は、網目一つひとつにツルが細かい螺旋(らせん)状に絡まっていきます。
この状態では片づける際、茎葉を取り除くのに少し手間がかかります。

支柱を3本使って上部を一点ヒモで縛り、ピラミッド型に組んでツリー状にして仕立てるのが簡単な方法です。トピアリー型の支柱を使っても良いでしょう。横に伸ばす場合は、更に紐を渡すと片づける時に楽になります。

ベランダで柵の近くで栽培する場合は、柵側に細かい網目のネットや遮光ネットなどをはると、柵にツルが絡んでしまうのを防ぐことができます。

ツリー状に仕立てたオカワカメ
ツリー状に仕立てたオカワカメ

収穫量を増やすには:「摘心」がカギ!

つる性植物のオカワカメは、放っておいても自然に上へとツルを伸ばしていきます。しかし、何もせずに育てていると、一本の長いつるばかりが上へ上へと成長し、葉の数が思うように増えません。

そこで効果的なのが「摘心(てきしん)」です。茎の先端を摘み取ることで、わき芽が出やすくなり、葉の数が増加。結果的に収穫できる量もアップします。

摘心する場所は?:どこでもOK

オカワカメの摘心は、基本的にどこでおこなっても大丈夫です。
例えば…

  • 支柱のてっぺんまでツルが届いたとき
  • 支柱の上に登りきる前
  • 食べたくなったとき、好きな位置で

というように、状況やお好みに合わせて摘んでOKです。

ただし、自然のまま育てているとツルは上の方に集中して伸びがちです。そのままだと株の下の方がスカスカに見えてしまうことも。
そのため、下の方の葉のすぐ上あたりを摘心しておくと、そこから新しいわき芽が出て、株元にボリュームが出てきます

摘心で葉も肉厚に!

摘心には、もうひとつ嬉しい効果があります。

摘心をすることで、細く伸びていた茎や小さくて薄かった葉にも栄養がまわり、葉が大きく肉厚育ってきます。

摘心したつるの柔らかい部分や収穫した葉は、炒めものやおひたしなど、いろいろな料理に活用できます。
ご自身のペースで摘心しながら、お好みの形に仕立てて、お好きな時に召し上がってください。

グリーンカーテンとしても利用可能

グリーンカーテンにする場合は「摘心+誘引」を!

近年の暑さ対策として注目されているグリーンカーテン。オカワカメは葉が密に茂るため、直射日光を遮る自然のカーテンとしても活用できます。

一般的にグリーンカーテンはゴーヤが有名ですが、実をつけないオカワカメは、そのぶん手入れが簡単です。食用と日除けの両立ができ、見た目も涼しげで楽しめます。

摘心(先端を摘み取ること)に加えて、誘引もすることで、さらに広がりのあるグリーンカーテンになります。

グリーンカーテンの仕立て方

  • 複数の株を縦方向に伸ばす方法
    • いくつかの株を入手して設置し、摘心を繰り返す
  • 1つの株を縦横の両方向に広げるように伸ばす方法
    • 支柱やヒモ、ネットなどを使用
    • 摘心に加え、誘引もしていく
    • ベランダのプランターを置けない空間部分のスペースも有効に使える
オカワカメの摘心
グリーンカーテンに仕立てているオカワカメ 摘心箇所

オカワカメは最初の成長がややゆっくりなため、ベランダでグリーンカーテンとして育てる場合には、早めの植え付けをおすすめします。摘心を繰り返しながら、縦だけでなく横方向にも誘引していくと、より広がりのあるグリーンカーテンになります。勢いがつくと切っても切っても伸びてきます。頑張って食べましょう。

1年目からグリーンカーテンとして仕立てたい場合は、複数の株を入手して育てると良いでしょう。

オカワカメのグリーンカーテンで、他の野菜を夏の強い日差しから守ることもできますね。

オカワカメのお世話:水やりも楽々!置き場にも寛容!

オカワカメはとても強くて丈夫な野菜です。

オカワカメは、つるが旺盛に伸びるため、日照や気温の多少の変化にも耐えられる環境適応力の高い野菜です。しっかり根付けば水切れや日陰にもある程度対応できます。

水やり

水やりは普段は土が乾いているかなと思った時でOK。我が家のオカワカメはの水やりは、夏場には週に数回行っていますが、冬場は1週間に一度程度、何かのついでに水を与えるぐらいで大丈夫です。

追肥

液体肥料を1〜2週間に1回程度、規定量を水やりついでに与えます。

肥料を多く与えると、独特のクセやえぐみを強く感じます。気になる方は1回ごとの施肥の量を控えめにしてみると良いでしょう。

肥料の与え過ぎには注意しましょう。

置き場所

プランターの設置箇所は、大きく育てる場合には、落下などの危険防止のためにもプランターハンガーやラックの高い位置ではなく、安定した地面に置くようにします。風通しなど直接置くのが心配な場合はブロック等を使い、その上に置くようにします。

また日当たりと風通しの良い場所が理想です。が、我が家の狭いベランダでは特等席から順番に他の野菜で埋まってしまうため、オカワカメはいつもすみっこ暮らしです(笑)。

2024年は引越しがあり、あまりお世話ができないままに、酷暑の夏から雪が降った冬を超えるまでの間、ずっと日陰となるコンクリート壁の内側に置いていました。それでも秋には花を咲かせてたくさんのムカゴもつき、翌春には新芽が芽吹いています。

今年の置き場は更に過酷なエアコン室外機の近くになりそうです(汗)。皆さまは、室外機の熱風が直接当たる場所は避けてくださいね。

オカワカメの収穫

オカワカメの収穫

葉はお好みの大きさになったものから順次収穫できます。
または伸びた茎やツルごと摘心しながら収穫しても。脇から新芽が出てさらに葉・茎が増えていき長く楽しめます。

収穫したオカワカメの葉
収穫したオカワカメの葉

どうぞお好きなところから、収穫してください!またすぐに新しいツルが伸びてきます。

オカワカメの食べ方:アレルギーなどにご注意を

オカワカメは、葉・ムカゴ・塊根と、さまざまな部位を楽しめる野菜です。調理法も豊富で、ぬめりのある独特の食感がクセになります。
ただし、塊根など初めて食べる際にはアレルギーなどに配慮して、少量から試すのが安心です。

葉の食べ方(定番)

オカワカメの葉は、さっと茹でておひたしや和え物、味噌汁、炒め物などに使えます。ぬめりがあり、ワカメのような食感が特徴です。

  • おすすめ調理法
    • さっと茹でて → おかか和え、ポン酢和え
    • 細かく刻んで、味噌汁やスープに
    • 油との相性も良く、炒め物にも◎

ムカゴの食べ方(季節のお楽しみ)

葉腋にできるムカゴ(小さな球状の芽)は、ホクホクした食感を楽しめます。

  • おすすめ調理法
    • 軽く塩茹でしてそのまま
    • 素揚げで香ばしく
    • ムカゴの炊き込みご飯

我が家では甘辛煮の味付けも好評です。ご飯がすすむ副菜になります。

塊根の食べ方(注意点あり)

地下にできる塊根(地下にできる根の塊)も、食べることが可能です。淡白な味で、ぬめりがあり、山芋に近い食感になります。
初めて食べる場合は、ヤマイモ同様にアレルギー反応が出る人もいるため、少量から試すのが安心です。

アク抜きや加熱調理を行うことで、ぬめりやクセを和らげることができます。

  • おすすめ調理法
    • スライスして焼く
    • 里芋のように煮る
    • すりおろしてとろろ風に

淡白な味わいなので、色々な味付けでバリエーションを楽しめます。

食用の際の注意点:

オカワカメの塊根を食べる際に注意すべきポイントは、以下の通りです。

  • アレルギーの可能性:ヤマイモに近い性質があるため、初めての場合は少量から
  • 下処理:土をしっかり落とし、必要に応じて皮をむいて加熱・アク抜き
  • 収穫時期の見極め:葉や茎が枯れ始めたころが収穫の目安
  • 傷・病気に注意:掘り出し時はやさしく扱う
  • 保存:冷暗所で保存し、早めに消費・冷凍も可
  • 腐敗チェック:異臭や変色があれば食用を避ける

オカワカメは、葉・ムカゴ・塊根とそれぞれ違った食感と味わいが楽しめるユニークな野菜です。ベランダ菜園で育てたオカワカメも、安全に・おいしく味わってください。

オカワカメの「シュウ酸」:水とカルシウムで対策!

オカワカメのシュウ酸について

オカワカメの葉には「シュウ酸(しゅうさん)」も含まれています。
これはほうれん草などにも含まれる天然の成分で、通常の量を食べる分には心配はいりませんが、たくさん摂りすぎると体に負担をかけることがあります。

シュウ酸は体の中のカルシウムとくっついて「結石(けっせき)」というかたまりを作ることがあるため、取り過ぎには注意が必要とされています。

これも調理の下ごしらえ食べ合わせを工夫をひと工夫することで、安心して食べることができます。

シュウ酸を減らす方法

シュウ酸は水に溶けやすい性質を持っています。
そのため、さっと茹でて水にさらすだけで、かなり減らすことができます。

またカルシウムと一緒に摂取すると良いとされています。

① ゆでる→ 水にさらす

シュウ酸は水溶性なので、加熱するだけでもある程度除去できます。

  • 沸騰したお湯で10〜20秒ほどゆでる(下ゆで) 
  • その後、冷たい水にさらす

これだけで、オカワカメのクセも取れておいしく食べやすくなります。

\ワンポイント/
カットしてから茹でると、さらにシュウ酸が抜けやすくなります。
その分ぬめりが多く出るため、最後に軽く絞ると使いやすいです。

わが家のひと工夫
シュウ酸が気になるお年頃(!?)の夫がいる我が家では、1分ほど長めに茹でたり、ポットで沸かしたお湯に数分浸けてから冷水にさらすようにしています。シャキシャキ感は減りますが、クセが抑えられて食べやすくなります。

② カルシウムと一緒に食べる

これは、カルシウムを多く含む食材と一緒に摂取すると、シュウ酸の影響を抑えることができると言われています。

  • おすすめの組み合わせ
    • 小魚(しらすなど)
    • ごま(すりごま)
    • 大豆製品(油揚げ・豆腐)
    • 乳製品(チーズなど) 


シュウ酸が体内で取り込まれる前に、先にカルシウムと結びつけてしまうという作戦です。
たとえば、おひたしにすりごまをかけたり、ツナやしらすと和えたりするのがおすすめです。

我が家では、本物の(笑)わかめと共に、油揚げ、豆腐などカルシウム源とも組み合わせて、お味噌汁に入れてていただくことが多いです。オカワカメの独特なクセがちょっと苦手な子供も、この組み合わせであれば気にせずにいただくことができています。

このように考えると、昔ながらの同じくシュウ酸を含む「ほうれん草のお浸し」に鰹節をかけていただく方法は、とても理にかなっているのですね。

一度にたくさん食べすぎないように、おかずや副菜として楽しむのもポイントです。


オカワカメの調理例

オカワカメの豆乳カレースープ

オカワカメの豆乳スープ
オカワカメの豆乳カレースープ

「父の日」に子どもが作ってくれたカレーを、翌日リメイクしてスープに。
豆乳と油揚げを加え、下茹でしたオカワカメの葉を浮かべました。

オカワカメ独特のクセも気にならず、スパイシーなカレーの風味と相性抜群。
意外な組み合わせでしたが、アジアンチックなスープになりました。
葉っぱのハート形も可愛く、見た目でも楽しめる一品です。

オカワカメの開花

株が育ってくると、秋には白くて綺麗な花が咲きます。我が家のオカワカメは2年目から開花しました。
花は観賞用になりますが、大株になったオカワカメの花は、藤の花の房に似ています。

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オカワカメの花が咲いている様子(イメージ写真)

栽培終了時:「お礼肥え」で栄養補給・冬越しの防寒準備を

オカワカメは寒さには弱いため、冬の管理が必要です。
温暖な地域では霜よけをすれば越冬できます。私はここで防寒対策をかねたお礼肥えもしています。
寒冷地域では塊根を掘り起こして室内で保管し、春に再度植えるのが一般的です。

お礼肥え:シーズン終わりに感謝をこめて

お礼肥え(おれいごえ)とは、野菜や果樹、花木などの植物が花を咲かせたり実を付けたり、収穫が終わった後に「お疲れさま」「ありがとう」という意味を込めて与える堆肥や肥料のことです。これは、収穫や開花で消耗した株を回復させ、翌年も元気に育つようにサポートするために施す追肥の一種です。

オカワカメお礼肥えの方法:堆肥または土を株元まで

ベランダでのオカワカメ栽培のお礼肥えは、越冬させることも目的の一つです。
冬の間は、成長のための肥料をあまり必要としなため、成分濃度の高い肥料ではなく、堆肥や野菜用培養土でじゅうぶんです。堆肥には即効性はないため、株元近くまで土を寄せても安心です。

  • タイミング
    花が咲き終わったころ
  • 肥料の種類
    堆肥または野菜用栽培用土
  • 与え方
    プランターの土の表面全体に施す
  • ポイント
    • 土の中の根を寒さから守る役割もあるので、栽培中に土の嵩(かさ)が減っている場合は、厚めに盛る
    • 水やり時にプランター上部から水があふれてしまわないように、ウオータースペースを残すように気をつける
    • 枯れた茎や葉があれば、取り除いておく

このお礼肥えを行うと、冬の間オカワカメの株にグッと力が蓄えられて、春先の早いうちから元気に新芽を展開してくれます。

増やし方(ムカゴ・塊根・挿し芽)

オカワカメはムカゴ(葉の付け根にできる小さな球状の芽)や地中の塊根を使って増やすことができます。
また、元気なつるを10〜15cmほどに切って、水や清潔な土に挿す「挿し芽」でも増殖可能です。挿し芽後は日陰で管理し、根が出たら鉢に植え替えます。

冬に株が枯れても、塊根を掘り起こして保管し、春に再び植え直すことで何年も楽しめます。

私が住んでいる中間地の関東のベランダでは、苗を購入して最初の1年目から、枯れることなくお礼肥えをして冬越しができました。これはそのまま掘り出すことなく、同じ鉢で継続して育てました。

翌年は、採取したムカゴから苗を育てて、新しい鉢を増やしてもう1株栽培しました。

新しい2鉢目の株がしっかり成長したのを確認してから、最初の1鉢目の塊根を掘り上げいただくことに。
大きく育った塊根は、里芋や山芋のような食感でねっとり美味しいと家族にも好評でした。

栽培時の注意点(自然環境への配慮)

  • 外来種としての側面もあるため、野外に放置したり、逸出させないよう注意しましょう。
  • 特に温暖な地域では繁殖力が強く、半野生化することもあります。

ベランダ菜園におけるオカワカメの栽培は、プランターを使用することによって根域も制限できるため、不用意に繁茂しまうことを防止できます。

病害虫の対策

オカワカメは病害虫に比較的強く、管理が簡単なのも大きな魅力です。我が家のベランダにおいても、病気になったり虫がつくことなく、農薬を使用せず丈夫に育っています。

オカワカメの病気対策

オカワカメは病気に強い植物ですが、元気がない葉・枯れてしまった葉は、取り除くと病気の予防になります。
生育旺盛で次々に新しい葉が生えてくるので、葉の数を気にしなくても大丈夫です。

オカワカメの虫対策

害虫も、つきにくいオカワカメですが、まれにアブラムシなどがつくことがあります。見つけたら早めに対処しましょう。

防災食として:備えておけば、いざというときにも安心

栽培が容易で栄養価の高いオカワカメは、日常的に収穫しながら、ムカゴを保存するなどの工夫をしておけば、万一の災害時にも役立つ食材になります。
乾燥させた葉やムカゴは長期保存がしやすく、加熱しても栄養が損なわれにくいため、簡単な調理で食べることができます。また、塊根を植えておけば、育てる場所がなくなっても翌年また栽培を再開することが可能です。

水やりや管理の負担が少なく、ベランダや室内の窓際でも育てられるため、停電や断水時に影響を受けにくいのも特長です。

「育てながら備える」そんな暮らし方にもオカワカメはぴったりの野菜です。

おわりに:オカワカメはベランダ菜園の頼れるパートナー

オカワカメは栄養価が高く、丈夫で、ベランダでも育てやすい万能野菜です。

葉はもちろん、ムカゴや塊根まで無駄なく活用できるうえ、グリーンカーテンとしても役立ちます。さらに、防災食としての利用価値も高いのが魅力です。

ぜひご自宅で育てて、その生命力と美味しさを存分に楽しんでみてください。

オカワカメの栽培カレンダー

作業内容
3月 むかごや塊根の保管中/種まき準備、資材の確認
4月 種まき開始(暖地)/むかご・塊根の植え付け/苗の準備
5月 苗の植え付け適期/支柱・ネットの設置/つるの誘引開始
6月 生育旺盛に/摘心・誘引を開始/追肥(液肥など)
7月 葉の収穫開始/摘心と誘引の継続/むかごの形成始まることも
8月 収穫継続/水切れ・高温に注意/むかごの収穫も視野に
9月 収穫継続(気温次第)/むかご収穫適期
10月 気温が下がる前に収穫終了/塊根の掘り上げと保管準備
11〜2月 地上部枯れる/塊根・むかごの保存/春の準備

参考・引用文献

(※1)農林水産省ウェブサイト:種苗法の改正について
(※2)農林水産省ウェブサイト:各都道府県において主に栽培されている品種
(※3)出典:農林水産省『種苗法の一部を改正する法律の概要』(PDF)
    「農業者が登録品種の収穫物の一部を次期収穫物の生産のために当該登録品種の種苗として用いる自家増殖」

国立国会図書館「法令情報詳細画面」種苗法(昭和22年10月2日法律第115号)https://www.digital.archives.go.jp/DAS/meta/Detail_F0000000000000048538

種苗法の改正
2020年12月2日:改正法成立
2021年4月1日:一部施行(海外持ち出し制限など)
2022年4月1日:完全施行(自家増殖の許諾制など)


文部科学省:日本食品標準成分表「食品成分データベース」
https://fooddb.mext.go.jp/index.pl

日本泌尿器科学会/日本尿路結石症学会/日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会「尿路結石症診療ガイドライン 第3版」2023年
https://www.urol.or.jp/lib/files/other/guideline/46_urolithiasis_2023.pdf

筑波大学リポジトリ:丸山 浩司「アカザカズラの安全性及び機能性評価」2021 年
https://tsukuba.repo.nii.ac.jp/records/2000847

農林水産省<フリマサイト・通販サイトを利用される方へ>植物・昆虫類の販売・購入に気を付けてください!
https://www.maff.go.jp/j/syouan/syokubo/keneki/furima/hurima_pq.html

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