ベランダやキッチンのゴミは「宝の山」!
「最近、肥料や培養土の値段が高くて気軽に買い足せない…」と思っていませんか?
私も年々資材の価格が高騰していること実感しています。
- せっかくの手軽なベランダ菜園なのに、そこまで高額をかけるのもなぁ…
- 堆肥に使われている資材を、自分で調整できたらいいな。
そんな時には、ぜひプランターで堆肥を手作りしてみましょう。
実は、料理で出る野菜の切りくずや、収穫後の茎や葉こそ、ベランダ菜園にとって無料で手に入る最高の資源。捨ててしまうのはもったいない「宝の山」です。
でも、堆肥作りというと
- 手間がかかりそう
- 臭いや虫が心配
- そもそも、ちゃんと発酵するの?
と、心配になるかもしれません。
私自身、ペットボトル、段ボール、土嚢など、いろいろな方法を試してきました。
「手軽そう」「簡単そう」と思って始めても、ニオイや管理の手間が気になり、続かなかった経験があります。
また、園芸の本で牛糞堆肥を見たときには、「フ、フン!?」と、土に入れるのをためらいました。
そんな私が色々と試した末にたどり着いたのが、
「プランター」で「冬の1ヶ月間」だけ仕込む「ほったらかし」で「ニオイにくい」堆肥作りでした。
この方法なら、とてもシンプルです。
- 専用のコンポスターは不要
- 虫やニオイの心配がほとんどない
- 毎日の切り返し(かき混ぜ)もいらない
見た目は普通のプランター。でもその中では、微生物たちが静かに働き、土を育ててくれます。
この記事では、ゴミを減らしながら資材代を賢く抑え、プランターで簡単に自家製堆肥を作る方法を写真つきのステップで詳しくご紹介します。
材料のベースとなる「野菜くず」と「古い土」に、キッチンにある「アレやコレ」を隠し味に加えて、堆肥の質をぐんと高めるコツも公開!
これを読めば、あなたのベランダから「ゴミ」が消え、今日から「0円で極上の土」が生まれるサイクルが始まります。
目次から好きな項目にジャンプして読むことができます。
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堆肥とは?肥料との違いを知って土を育てる

肥料と堆肥の違い
自家製堆肥作りを始める前に、まず整理しておきたいのが「堆肥」と「肥料」の違いです。
実は、肥料の品質の確保等に関する法律(通称「肥料法」)においては、どちらも広義の意味での肥料とされています。
肥料法では、肥料は、特殊肥料と普通肥料に大別されます。特殊肥料は米ぬか・堆肥など具体的に定められており、定めのないものはすべて普通肥料に分類されます。
野菜の栽培においては、堆肥と肥料は成分などの違いから、使用する目的により以下のように使い分けられています。
肥料は、野菜に直接栄養を与えるもの。
例えるなら、野菜にとっての「食事」です。
一方で堆肥は、土そのものを育てるもの。
土をふかふかにし、微生物が住みやすい環境を整える、「家」の役割をします。
栽培を終えたプランターの土は、次第に固まり、微生物のバランスも崩れていきます。そこに堆肥を加えることで、土の中に新しい空気が通り、水はけと水持ちの良い「団粒構造」が復活します。
肥料だけを足し続けても、土の状態が悪ければ野菜はうまく育ちません。「まず土を育てる」ことが大切です。
野菜を育てる(葉茎・花実・根の栄養)
土を育てる(微生物の住みか)
健康な土づくりには堆肥を、足りない栄養素は肥料で補う、という使い分けが必要になります。
プランター堆肥は「栄養満点」のハイブリッド!
プランター堆肥は、野菜の栽培残渣や魚粉・肉かす・食用油の残り・調味料など生ゴミで作るため、一般的な牛糞堆肥やバーク堆肥などよりも、より栄養豊富な堆肥になります!
野菜残渣・生ごみなどで作る
土を育てながら、野菜を育てる栄養も含む!
※作った肥料を販売することは、肥料の品質の確保等に関する法律(通称「肥料法」)により登録・届出が必要になることがあります。プランターでの堆肥作りはご家庭で楽しむ範囲にしましょう。
堆肥の「材料」は家にあるもの!
プランター堆肥は、特別な資材を揃えなくても始められます。基本は「家から出るもの」です。
「基本材料」はこれだけ!
基本材料は3種類、キッチンやベランダから出るものばかりです。「土に帰るもの」を入れるようにします。
- 栽培後の野菜残渣
- キッチンの生ごみ
- 使用済みの土
①栽培後の野菜残渣
収穫後の茎や葉。
乾燥させておくと、簡単に手でポキッと折ったり、ハサミでも切れるようになります。
ナスやオクラの硬い茎は乾かしてから、茎の1箇所に剪定バサミなどで傷をつけ、反対側に倒すと折りやすくなります。
②キッチンの生ごみ
堆肥の主役になるのが、日々の料理で出る野菜くずです。
皮、芯、外葉、切れ端など、普段は捨てている部分が立派な材料になります。
③使用済みの土
栽培を終えたプランターの土は、そのまま堆肥のベースとして使えます。
細かい根が残っていても気にする必要はありません。
新しい土を買わずに再利用できるため、資材代の節約にもつながります。
堆肥化する過程で悪玉菌より善玉菌・日和見菌の割合が増えていき、悪玉菌の割合が減っていきます。
が、念のため栽培途中に土壌による病気が発生した場合は、熱消毒をしてから使用すると安心です。
土は、水分調整と臭い防止の役割をします。乾いた状態でもOKです。
野菜くずの上にしっかりかぶせることで、分解が安定しやすくなります。
- 生ゴミは乾かさずそのまま投入
- 土が乾いているなと思ったら、様子を見て水を投入
米のとぎ汁や、ヨーグルト・納豆の容器を洗った水も、微生物を活性化させるスイッチになります!
あれば、なお良し!:肥料効果と味を底上げする「隠し味」10選
基本の材料の他に、私は以下の「「隠し味」を使用して肥料効果を底上げします。
- 米ぬか
- コーヒーかす
- 卵の殻
- 魚粉(だしの残り・小魚・煮干しなど)
- 火を通した後の肉や魚の骨や皮
- みかんの皮
- エビ・カニの殻
- 食用油の残り
- スープなど汁物の残り
- 栽培後の「しいたけ菌床」ブロック
①米ぬか
米ぬかは、微生物のエサになり、分解を助ける働きをします。
米ぬかを入れると、堆肥の出来上がりまでの時間も早いです。
一度に入れすぎるとニオイや虫の原因になることも。数回に分けて投入します。
②コーヒーかす
窒素補給と消臭効果も期待できます。パルプ100%ならフィルターも土に還ります。
窒素を含んでいるので葉茎を育てる力もあり、ベランダ菜園の強い味方です。
③卵の殻
カルシウム補給として使えます。
我が家では、特に洗ったり、乾かしたり、細かく砕いたりもせず、そのまま入れています。
殻が硬く鋭いことがあるため、手を切らないよう注意してください。
そのまま土に入れると分解されるのに数年かかってしまいます。堆肥化すれば、完全に分解されるまで少し時間はかかりますが、土の中でゆっくり役立ってくれます。
④魚粉(だしの残り・煮干しなどの小魚)
だしをとった後のかつお節・煮干しなど。
フンに抵抗があっても、動物性の有機物が必要と感じました。特に魚介系には、微量栄養をとなる海からのミネラルが多く含まれています。
窒素やリンを含み、実のつきを助ける材料です。
特にリン酸が豊富で、野菜がグンと甘くなります。
「田作り」の由来
おせち料理など縁起物として食べられている「田作り」。
昔は小魚が肥料として使われていました。

田作り

カケラを堆肥に入れました。
⑤火を通した肉や魚の骨や皮
栄養豊富ですが、衛生面の対策として火を通したものを入れます。
臭いが出やすいので、必ず土でしっかり覆います。
鶏の手羽元はNGでした…
何年たっても分解されず、
混ぜている時に、不意に土の中から骨が出てきて
毎回「ギョッと」しました
⑥みかんの皮
糖分があり、分解のきっかけになりやすい材料です。
我が家では、冬に量がまとまって出るみかんの皮をよく使っています。
手でちぎりやすく、柔らかいので他の材料ともなじみやすいです。
⑦エビ・カニの殻
お正月料理で出やすい、エビやカニの殻も使えます。病気に強い根を作るためのサポート役にもなります。
硬いので、割る際には注意してください。ある程度分解が進んでから、スコップなどで混ぜると割れやすくなります。
エビやカニの殻にはキチン・キトサンが含まれており、土の中で病原菌の増殖を抑える働きがあるとされています。
キトサン成分は、病原菌に抗う善玉菌(放線菌など)を増やしてくれます。
善玉菌が優位になると、結果的に病気が出にくい土づくりにつながります。
⑧食用油の残り
実は使い古した揚げ物油などの残りも、微生物にとって非常に高いエネルギー源になります。これを加えることで、分解スピードがぐんと上がります。
一度に入れるとベタつくことがあるので、少量ずつから様子を見て投入しましょう。
⑨スープなど汁物の残り
調味料などが含まれる液体類も、土の栄養になります。
ただし、入れすぎると塩分や水分過多になるので、大量投入は控えます。
塩分が多すぎると、後で育てる野菜に影響(塩害)が出る可能性があります。
⑩栽培後の「しいたけ菌床」ブロック
収穫を楽しんだ「しいたけ菌床」も、最後は堆肥の隠し味にしています。
しいたけを収穫し終わった後の菌床は、そのまま捨てればゴミですが、プランターに入れれば立派な資源になります。
しいたけ菌床は、もともと「おがくず」や「栄養体(米ぬかなど)」を固めて、そこに「しいたけ菌」を回したものです。
菌床は、しいたけ菌(糸状菌の一種)がびっしり詰まった塊です。これを崩して土に入れることで、土の中の微生物活動が一気に活性化し、他の生ゴミの分解を早める「発酵促進剤」のような役割を果たしてくれます。
しいたけ菌床のベースである「おがくず」は、分解される過程で土の中に隙間を作り、「団粒構造(ふかふかの土)」を作るのに非常に役立ちます。
- 埋めるついでに:プランターの土に菌床を入れて、スコップの先でザクザクと2、3回突く
- 少し乾燥させて:菌床は乾燥していれば、手でポロポロと簡単に崩れます
「しいたけ菌床」栽培のコツはこちらの記事で詳しくご紹介しています。
合言葉は「チリカハミネ」
土づくりでは、肥料の成分と野菜の育つ部分を結びつけて考える方法があります。
恵泉女学園大学副学長・藤田智先生が提唱されている「チリカハミネ」は、その考え方を分かりやすくまとめた合言葉です。
- チ(窒素) →ハ(葉)
- リ(リン酸)→ミ(実)
- カ(カリ) →ネ(根)
その他 用意する道具や資材:5つ
- プランター
- 鉢底用ネット
- 不織布など
- 紐・ループエンドなど
- 野菜クズを入れる容器
①プランター
初めて取り組む方は、底に多数、穴の空いているタイプが、水が抜けやすいです。
私は1ヶ月の間に3〜4個使用し、1周したら、カサが減ってきた最初のプランターに戻り、また投入を繰り返すスタイルです。
②鉢底用ネット
プランターの底に敷き、土が流れないようにしたり、虫の侵入を防ぎます。
鉢底石を入れると土の量が減ってしまうため、私は鉢底にはネットのみを使用しています。
③不織布
プランターの上にかぶせて、虫の侵入や雨が直接当たるのを防ぎます。
上からの水のあたりを柔らかくする働きも
④紐・コードストッパーなど
不織布・防虫ネットを被せた後しっかりと縛り隙間を無くします。
- スズランテープなど
100円ショップで購入可能・麻紐でも - コードストッパー(あると便利)
同じく100円ショップの手芸コーナーなどで手に入ります。
紐をギュッと絞って固定できるコードストッパーがあると、カバーの開け閉めが楽になります。
⑤野菜くずを一時的に置いておく容器
栽培残渣用
栽培後の残渣は、空いているプランターなどに置いておきます。夏野菜の残渣も自然に乾き、冬になる頃には折れやすくなります。
生ゴミ用
長く置くとにおってくるので、私は1日分が入る容器を用意します。短期間なら蓋をしなくてもOK。蓋は開けておいたほうが、ポンポンとカットした野菜クズを入れやすく、密閉するより逆に匂いません。
固形物なら、ビニール袋などでもOKです。
私は最近あまり使わなくなった、このようなオイルポットに入れておきます。
ここにその日に出たキッチンからの生ゴミを置いておきます。材料に書いたものが出た場合も一緒に入れます。
【写真つきで解説】プランター堆肥作りのステップ
「材料を細かく刻む」「毎日かき混ぜる」「温度を管理する」といった手間は一切省きます。自然の森で落ち葉が腐葉土になる仕組みを、プランターの中で再現するイメージです。
栽培残渣・生ゴミをためる
- 栽培残渣を取っておく(自然乾燥でOK)
- 野菜くず(生ごみ)をため始める(12月〜1月頃)
- 材料は細かくカットしないでOK
- 隙間があったほうが空気を通し、微生物が活動を助ける
- 密着状態にならないため、加湿を防ぎ適度に水分を保持
- 生ごみは乾かさなくてOK
- 1日分をこのような入れ物に入れておく
- この期間だけ家族にも協力してもらい、茶殻なども入れてもらう


長ねぎの黄色くなった部分もすぐに埋めればニオイにくい
プランターに鉢底ネットを敷く
- 鉢底ネット(破れた不織布・防虫ネットなど)を敷く


使い終わった培養土を底から5cmほど入れる
- 使い終わった培養土を入れる
- 量は底に5cmほど
- 水は加えなくてOK


野菜クズ(栽培残渣・生ゴミ)を薄く広げる
栽培残渣の一部と、1日分の生ゴミを投入します。
- 3〜5cm
- 厚く重ねない
- 細かく刻まなくてOK

手で折りやすくなります

(あれば)米ぬか・汁物を入れる
米ぬか・汁気のあるものは、ここで加えます。
- 米ぬかはパラパラとまく程度(虫・ニオイの予防)
- 液体調味料の残りなども少量かける

土でサンドする
ニオイと虫を防ぐための「蓋」の役割です。
- 乾いた土や培養土をかぶせる
- 3〜5cm
- 強く押さえつけたり、踏みつけなくてOK

野菜くずが軽くかくれる位でOK
不織布でカバーする
通気性を保ちつつ、外敵(虫)をシャットアウトします。
- プランターの表面を不織布でおおう
- 防虫ネットなどでもOK
- 紐などでしっかり固定

プランターが満杯になるまで、これを繰り返す。
- 同じ手順で材料を重ねていく
- 最後は必ず土が一番上になるように、厚めに盛る
繰り返す
土→残渣→(米糠・液体調味料)→土
ほったらかす(数ヶ月間)
あとは微生物に任せて、ほったらかします。
- 雨が直接入らない場所に置く(加湿を防ぐ)
- 混ぜなくてOK
- 土の表面が乾いていたら、軽く濡れるくらい水分を少量入れる
(コップ1杯=200cc 程度)
→この後に記載している自動循環システムが便利です。
できあがり
できあがりは、最後の材料の投入から数えて、およそ以下の期間になります。
- 夏は3ヶ月〜6ヶ月(米ぬかを入れた場合は1〜2ヶ月)
- 冬は6ヶ月〜1年(米ぬかを入れた場合は3ヶ月)
さらに、ひと夏を越すと熱で殺菌・発酵が進み、より安心して使える最高の土に生まれ変わります。
たまには、フライングして1週間・2週間・1ヶ月…と変化を見るのも面白いです
その際に移植ゴテなどで混ぜると、さらに分解が進み、出来上がりも早くなります。
(材料が飛び出ている場合は、再び一番上に土を被せましょう。)
満杯になったら次へ:「プランター・ローテーション」
複数のプランターを順番に「ローテーション」
プランターが満杯になったら、次のプランターで同じ手順を繰り返します。
このあとは、別のプランターで同じ手順を繰り返して材料を重ねていくだけです。
プランターが満杯になるまで、混ぜる必要はありません。
最初のプランターはどうする?
材料を投入し終わって1 ~2週間ほど置いておくと、材料のカサが少し減っています。 そうなったら、初めて移植ゴテで軽く混ぜ、土の表面を下げて隙間を作り、また新しい材料を投入していきます。
プランター堆肥の置き場所:ベランダで活かす「自動循環システム」
栽培中のプランターの下に置き、ほったらかし「自動循環システム」
ここがベランダ菜園ならではの知恵。プランターを縦のラインで活用します。
栽培中のプランターの下に、堆肥入りのプランターを置くと、上の鉢からしたたり落ちる水が下の堆肥に絶妙な水分補給をしてくれる「自動管理システム」になります。
このプランター堆肥がフィルターがわりになり、ベランダを汚水で汚さずに済みます。
積み重ねて、ほったらかし
さらに先に投入の終わった古い鉢を、その上に新しいプランターを重ねれば省スペースに!
「自動循環システム」で楽々!
- 野菜の水やりと同時に
- 堆肥に適度な水分補給
- ベランダの床も汚さない
堆肥になっているか心配な時は?:「早めの土づくり」or「プランターの下部に入れる」で安心
堆肥になっているか心配な時は
しっかりと堆肥化されているか心配!?
堆肥化できているか心配な時は、以下の方法で野菜の栽培をすると安心です。
・通常よりも2週間〜約1ヶ月ほど早めに土に混ぜる。
(ぼかし肥料やえひめA I-2などの発酵済み資材を一緒に投入して混ぜるとより堆肥化が進みます。)
・プランターの下の方に堆肥・上の方に堆肥の入っていない土を重ねて、種まきや苗の植え付けをする
この時点では、米ぬかを入れない
ただし、この時点では米ぬかを入れないように注意!
【ご注意】 米ぬかは発酵分解の際に窒素を消費し、野菜の成長を妨げる「窒素飢餓」を起こすので、この段階での米ぬか投入は控えましょう。
完成したプランター堆肥の使用方法
- 培養土に1〜2割程度入れて使用
- お礼肥えに使用
- 夏野菜など、栽培中の土増しに併用
①培養土に1〜2割程度入れて使用
- 培養土に1〜2割程度入れて使用します。
この他に、栽培の
- 2週間前に「苦土石灰」
- 1週間前に「窒素・リン酸・カリ」成分の入った混合肥料(「チリカハミネ」の合言葉)
などを規定量入れて、栽培を開始します。
②お礼肥えに使用
プランター堆肥は、野菜の収穫後や冬越しのためのお礼肥にも最適です。
私の場合、以下の野菜などにお礼肥えを施しています。
プランター堆肥は栄養たっぷりのため、他の肥料を与えなくてもOKです。
肥料成分も多すぎないため、野菜の株元までおおうことが可能です。
③夏野菜など、栽培中の土増しに併用
栽培期間の長い夏野菜やイチゴなどは、途中で土の表面が下がってきたり、もう少しパワーをプラスしたい場合があります。
私は定期的な追肥のほかに、培養土と合わせるなどして土増しをして、地力を補強することがあります。
プランター堆肥のメリット・デメリット
プランターを使った堆肥作りには、ベランダ菜園ならではの良さと注意点があります。ここでは、私が実際に続けてきて感じたメリットとデメリットを整理します。
プランター堆肥のメリット3つ
プランターや今ある資材で即開始できるのが最大のメリットです。
- 材料費がほとんどかからない
- 栽培残渣・キッチンゴミを減らせる
- 省スペースで可能
①材料費がほとんどかからない
新しく堆肥や土を買い足す回数が減るため、続けるほど資材代の節約につながります。
- プランター堆肥は、野菜くずや使い終わった培養土を再利用します。
- 肥料や培養土の価格が高くなっている今、家計にやさしい方法です。
②栽培残渣・キッチンゴミも減らせる
野菜を栽培した後の時に大量の硬い残渣がそのまま堆肥の材料になります。
可燃ゴミの量が減り、「捨てる」から「活かす」へと意識が変わるのも大きなメリットです。
- この期間、我が家のゴミの日の袋は普段に比べるとグンと減ります。
- ゴミ出し当番の夫も喜びます。
- 料理で出る野菜の皮や芯、外葉なども、土に入れると不思議なほど消えて無くなります。
③省スペースで可能
- 省スペース
- 狭いベランダ・プランターという省スペースで手軽に取り組めます。
- プランターなら通気性の管理が楽・移動も自由自在。
- 土の変化を実感しやすい
- 使い続けたプランターの土は固まりやすくなりますが、堆肥を加えることで少しずつよみがえります。
- 手で触るとふかっとした感触になり、水はけと水持ちのバランスも改善されていきます。
プランター堆肥のデメリット3つ:知っておきたいの弱点と対策
良いことばかりではなく、プランターならではの限界もあります。ここを理解しておけば、失敗しても慌てずに済みます。
- 温度が上がりにくく、時間がかかる
- 一度に大量には作れない
- 水分が多すぎるとニオイが出やすくなる
①温度が上がりにくく、時間がかかる
- 土の量が少ないため、大規模なコンポストのような高温にはなりません。
- じっくり分解させるため、余裕を持って「ひと夏越させる」くらいの気持ちでいるのがおすすめです。
②一度に大量には作れない
- 家族全員の生ゴミをすべて処理するには、プランターの数が足りなくなることも。
- 複数のプランターをローテーションさせる工夫が必要です。
- 入らなくなったら、無理に詰め込まずに廃棄するなど柔軟な対応にしましょう。
③水分が多すぎるとニオイが出やすくなる
- ベランダ堆肥で一番多い失敗は、水分過多です。
- 野菜くずを入れすぎると、分解が進まず臭いの原因に。
- 乾いた土や古い培養土を重ねることで、ニオイはかなり抑えられます。
こうした特徴を理解した上で、無理のない範囲で始めるのがプランターでの「ほったらかし堆肥作り」を成功させるコツです。
完璧を目指さない。私の持続可能な「ゆるい線引き」5箇条
堆肥づくりで大切にしているのは、きちっと正しくやることよりも、無理なく続けられることであると思います。私は以下の5つの線引きをしてから、義務感なく楽しめるようになりました。
- 冬の1ヶ月だけ仕込む
- におわない
- 虫を呼ばない
- がんばりすぎない
- 教科書通りでなくてよい
①冬の1ヶ月で仕込む
臭いや虫が気にならない冬に集中。春の植え付けに間に合わせるサイクルです。
一年中、生ゴミの管理を続けるのは負担が大きくなります。
1ヶ月分だけ集めて放置すると、米ぬかを入れた場合は、ゴールデンウィーク前後の夏野菜の植え付けに間に合います。
米ぬかが無い場合でも、プランターや土の袋を増やしてひと夏を越すとさらに暑さで発酵と消毒が進み、翌年には真っ黒な「腐植酸」たっぷりの土に生まれ変わります。
②におわないことを最優先にする
集合住宅のベランダは、共有部分の生活空間です。
多少発酵が遅れても、完璧な分解でなくても、嫌な臭いが出ないことを最優先にしています。
無理をしないことで、日常のストレスを減らせます。
土でおおったままほったらかしは、切り返しての高温発酵に比べて、ニオイにくいです。
③虫を呼ばないやり方を選ぶ
最初から虫が寄りにくい「冬」という時期を選びます。
理論的に正しくても、虫が集まりやすい方法は私の環境には合いませんでした。
ネットやフタで完全防御を目指すより、最初から虫が寄りにくい材料と重ね方を選ぶ。
それだけで、精神的なハードルがぐっと下がります。
④がんばりすぎない
毎日混ぜる、温度を測る、水分量を細かく管理する。
そうした作業は、ちょっと疲れてしまいます。
「何もしない日があっても大丈夫」
この余白があったからこそ、10年近く続いています。
材料の農薬なども気にしすぎると続きません。外葉や皮は軽く洗って入れよう、など「自分の中でここまでなら良し」という線引きを持ちました。
⑤教科書通りでなくてよい
森や林の中を思い描いてみてください。
アツアツに発酵しているところはなくても
何十年、何百年と豊かな実りがあり、淡々と生態系が守られています。
プランターでは温度が上がりにくいですが、それでも野菜は立派に育ちます。
厳密には、プランターの量では温度が40度以上に上がらないため、教科書通りの「堆肥」とは言えないかもしれません。しかし、実際に2025年の夏野菜はミニトマトが鈴なり、オクラも豊作でした。
完璧を目指さないことは、自分の暮らしに合わせて無理なく続けるための工夫です。
この「線引き」を決めてから、堆肥づくりを楽しめるようになりました。
迷っている方にも:いろいろな堆肥の作り方を比較!
家庭でできる堆肥づくりには、さまざまな方法があります。
ここでは、私が実際に試したものと、一般的によく知られている方法をご紹介します。
1. 【実体験】実際に試して分かった、それぞれの本音
プランター堆肥にたどり着くまでに、私もたくさんの「失敗」と「実験」を繰り返してきました。私が過去に挑戦した方法では、こんなメリット・デメリットがありました。
| 方法 | メリット | 実際に感じた「ここが惜しい!」 |
| プランター | 投入は1ヶ月間だけ 毎日混ぜないでOK | 一年分には複数個必要 |
| 土・肥料の空き袋 | 新しく容器を 買わなくて済む | 半密閉なので 少しにおいが出やすい |
| 段ボール | 室内でも可能 分解が早い | 資材代がかかる 水分で箱がもろくなり、補強が必要 |
| 土嚢(どのう)袋 | 通気性抜群で 発酵もしやすい | 水分やにおいが漏れやすく 集合住宅には難しいことも |
| ペットボトル | 観察しやすく 自由研究に最適 | 量が少ない 何本も管理するのが大変 |
プランターに落ち着くまでに、いくつかの方法も実際に試してきました。
どれも一長一短があり、環境や性格によって向き不向きがあると感じています。
土や肥料の袋(半密閉)
土や肥料の空き袋を使う方法も試しました。
袋栽培と同様、下部分に数箇所排水穴を開けて使用します。
袋の口を縛ると半密閉状態になり、近づくと発酵臭を感じることがありました。ベランダでは、少し気を使うため、プランター堆肥と同じように不織布でおおうとよりにおいも軽減されたかなと思います。
土嚢袋を使った方法
土の量をしっかり確保でき、堆肥化しやすい方法です。
一方で、私の管理の方法が悪かったのか、袋を置いた場所の下に水分が出たり、途中からニオイが出てしまいました。
またかき混ぜる代わりに、袋の上からこまめに動かす作業が必要です。
ペットボトルを使った方法
手軽に始められ、少量の生ゴミ処理には向いています。
透明なペットボトルは、分解が進んでいく様子を目で確認できました。
ただ量が少ないため、ベランダ菜園全体用の土づくりには何本も必要になりました。
段ボール堆肥
様々な方法がありますが、私が挑戦したのはピートモスやもみ殻くん炭などを使用する方法でした。
なので、ダンボール以外のそれら資材は購入することになりました。
大きめの段ボールを置くスペースも必要になります。
室内でできる点は魅力的でしたが、少し気を使う場面もありました。
生ゴミを入れやすいように家族が協力してくれてキッチンに置いたところ、かき混ぜるために段ボールを開けた際にやはり多少のニオイがする。これが3ヶ月間続きました。
また水分が出てくると、ダンボールがもろくなり、補強が必要でした。熟成期間中はベランダにも置いてみましたが、軒下でも雨が降り込んでダンボールが崩れてきます。
その代わりに出来上がった時の充実感があり、たくさんの上質な堆肥を作ることができました。また、堆肥の中身にある材料で、ゴミを取り出した後の排水溝の汚れもぬぐえる、という発見もありました。
室内で管理したい人や、しっかり混ぜてたくさんの堆肥を作りたい人には向いている方法だと思います。
密閉容器(蓋つきポリバケツなど)
バケツや専用容器で発酵させる方法もあります。
途中に下から出てくる発酵液は、薄めて液体肥料として使うことができます。
反面、水分管理が必要になります。
密閉式のため、蓋を開ける時などかなりにおいました。虫が発生することもあります。
どの方法が正解というよりも、自分の暮らしにあった形を選ぶことが大切だと感じています。
いろいろ試した結果、私の環境では「特別な容器を増やさず、普段使っているプランターで完結する方法」が、いちばん無理なく続きました。
無理なくけられる、プランターが一番でした。
2. その他の堆肥づくりの方法
自治体によっては、購入に補助金が出る場合もあります。本格的にやりたい方は調べてみてください。
市販のコンポスター
屋外用がメイン。大量に処理したい方向けですが、ベランダにはサイズが大きい場合があります。
電動生ゴミ処理機
圧倒的に早くてにおいません。ただし、初期費用がかかることと、最後は土と混ぜて「熟成」させる手間が必要です。
このように堆肥の作り方には様々な方法があります。ぜひご自身の生活スタイルに合った方法を見つけてみてください。
よくある質問(Q&A):プランター堆肥の「気になる!」にお答えします
私自身、自分の中に落とし込んで実践し今のスタイルにたどり着くまで、試行錯誤を繰り返しました。皆さまの不安が少しでも解消できるよう、気になることをまとめてみました。
【1】臭い・虫・ベランダ環境
においは本当に出ませんか?
冬仕込みなら、ほとんど気になりません。
冬は気温が低いため分解がゆっくりで、においが出にくいのが最大の特徴です。
- コツ:ふた付き容器で密閉せず、不織布で覆って通気性を確保してください。
- 裏技:どうしても気になるときは、土を厚めに被せたり、上に別のプランターや土袋を重ねて「重し」をするとにおいが軽減します。
虫が湧くのが怖いです…
冬の1か月間に集中して仕込むのが、最大の虫対策です。
コバエやウジは気温が高い時期に発生しやすいです。
虫が活動しない冬の間に仕込みを終えてしまえば、春以降は触らずに発酵を進めるだけなので、虫の心配はほぼありません。
集合住宅のベランダでやっても大丈夫?
大丈夫です。私もベランダで続けています。
雨に当たらない場所に置き、密閉しすぎなければ、生活に支障が出るようなことはありません。
【2】作り方・失敗への不安
途中で混ぜなくても大丈夫ですか?
はい、大丈夫です!
プランターという小さな容量では、教科書にあるような「高温発酵」は難しいものです。
無理に混ぜてにおいを出すよりも、手間をかけない「ほったらかし」を優先しています。
失敗するとどうなりますか?
カビや腐敗臭が出ることがあります。
主な原因は「水分」や「生ごみ」の入れすぎです。
もし臭ったら、一旦ゴミを入れるのをやめて、土を足したり乾かしたりすることで、多くの場合改善できます。
気温が低い真冬でも本当に作れるの?
むしろ冬こそ、堆肥作りのベストシーズンです。
分解はゆっくりですが、その分「におわない・虫が来ない」というメリットがあります。冬に仕込んで春を待つスタイルが、ベランダには一番合っています。
【3】安全性と効果
残留農薬や資材の安全性が気になります。
完璧を目指さず、自分なりの「線引き」を大切に。
私もそうでしたが、気にしすぎると市販の資材も使えなくなってしまいます。
果物の皮は国産のものを入れよう、などと「ここまでなら許容範囲」と決めて、無理なく続けることができました。
カビが生えたり、傷んでしまった食べ物を入れてもいいですか?
基本的には大丈夫です。
カビも微生物の一種なので、プランターの中で分解を助けてくれる仲間になります。 ただし、いくつか「安心のためのコツ」があります。
無理はしない:
あまりに臭いが強いものや、自分が「ちょっと触りたくないな」と感じるものは、無理に入れなくてOKです。
土を厚めに被せる:
カビの胞子が舞ったり、見た目が気になったりしないよう、いつもより少し厚めに土を被せて「サンド」してあげましょう。
水分に気をつける:
腐敗してドロドロになっている場合は、水分が多すぎるサインです。その時は、乾いた古い土や米ぬかを多めに混ぜて、水分を調節してあげると失敗しません。
栄養過多になりませんか?
プランター栽培なら、ちょうど良いバランスになります。
畑と違い、プランターは水やりで栄養が流れ出しやすい環境です。
この堆肥を使い、さらに市販の肥料を足しても、私の経験では野菜たちは元気に育っています。
【4】時間がない・迷っている方へ
忙しくても続けられますか?
正直に言うと、短期間ですが多少の手間はかかります。
容器の準備や生ゴミの管理が負担に感じることもあるかもしれません。
また、米ぬかを使用しない場合には、堆肥の出来上がりまでに時間がかかります。
そんな時は無理をせず、市販の「堆肥」や「土壌リサイクル材」などに頼るのも立派な選択肢です。
堆肥と言えば、まずはの「牛ふん堆肥」です
古い土に混ぜて、最短1週間で土の再生~定植ができます
自治体によっては、剪定枝で作った堆肥などを安く配布していることもあるので、一度チェックしてみるのもおすすめです。
おわりに:おおらかな気持ちでプランター堆肥を楽しんでみよう
「プランター堆肥」作りを始めると、日常の野菜残渣・生ごみを「捨てる」ことが、大切な資源を「土に返す」というワクワクする習慣に変わります。
最初は不安になるかもしれません。
私自身も、牛糞堆肥に驚いた初心者時代から、ペットボトル、袋、土嚢、段ボールなどを使って、いろいろ試してきました。
その中でたどり着いたのが、「プランターで完結させる」「冬の1か月だけ仕込む」という、今のやり方です。
教科書通りの完璧な堆肥ではないかもしれません。
でも、実際に野菜がよく育ち、ゴミが減り、資材代も抑えられ、何より10年近く続けられています。
それが、私にとっての「正解」でした。
温度が上がらなくても、時間がかかっても、それはいつか必ず土に帰り、確実に野菜たちを育てる力を蓄えています。
冬の冷たい空気の中で仕込み、あとは微生物たちの静かな循環にまかせてみてください。
数ヶ月後、不織布をめくり残渣の形がなくなった跡からは、懐かしい土のニオイが。しっとりと黒く輝く土はまさに「森の香り」です!
ゴミが減り、家計が助かり、そして美味しい野菜が実る。
そんな心地よいサイクルが、あなたのベランダでも豊かに回り始めます。
ベランダやキッチンのゴミは、見方を変えれば宝の山。
できるところから、できる分だけ。
まずは今日出た野菜の切りくずを、空いているプランターに埋める一歩から始めてみませんか。
【ご購入時の注意点】
・購入時は、販売元、価格、および書籍の形式(紙または電子)をご確認ください。
・Amazonでは、Kindle版(電子書籍)が先に表示される場合や、公式販売以外の出品(中古品・高額転売品など)が混在する場合があります。
・楽天市場では、電子書籍(楽天Kobo版)が検索結果に含まれることがあります。
竹チップダンボールコンポスト・土づくりなどを紹介(放送はありません)
里山菜園において有機のチカラで 育てる土を紹介
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※解約した場合、有効期間終了後はライブラリから利用できなくなります。
※通常のKindle価格で一冊ずつ購入した場合には、いつでもライブラリから読むことが可能です。
『やさいの時間10月号』を通常版のKindleで購入してみました。
パソコンの大画面でも、栽培作業中にスマホでちょっと確認したりもできます。両方とも公式の無料アプリをインストールするだけ。一番は寝転んでスマホで見る時、指を横に移動するスワイプでページをめくったり、簡単に拡大して見ることができ活躍しています
参考文献(2026年1月参照)
肥料の品質の確保等に関する法律(通称「肥料法」)
https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000127
農林水産省 消費・安全局 農産安全管理課「肥料制度の解説」(令和4年7月)
https://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/kome/k_hiryo/attach/pdf/220706hiryo_setsumei-10.pdf
農林水産省 届出の様式等資料「堆肥を他者に渡す場合は、有償・無償を問わず、届出が必要です!」
https://www.maff.go.jp/j/chikusan/kankyo/taisaku/attach/pdf/index-99.pdf
農林水産省 「インターネットオークションやフリマアプリ又は農産物直売所で肥料を販売される⽅は、必ず販売業者の届出を⾏うなどの手続きをしてください︕」
https://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/kome/k_hiryo/180717.html
農林水産省「土壌肥料対策指導指針」(平成19年3月)
https://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/hozen_type/h_sehi_kizyun/sim01.html?utm_source=chatgpt.com
農林水産省「土壌肥料対策指導指針」(平成19年3月)3 堆肥の作り方https://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/hozen_type/h_sehi_kizyun/pdf/ssisin3.pdf
国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構
https://www.naro.go.jp/index.html
※本記事の堆肥作りは、これらの情報を踏まえつつ、筆者自身のベランダ菜園での実践経験をもとに構成しています。


