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👾 小さくても、被害はモンスター級
ベランダ菜園でいちばん困るのは、やっぱり虫。
張り切って始めたのに、収穫できなかった——そんなことはありませんか?
・何者かに葉を食べられている?
・毎日チェックする時間も体力もない
・もっと楽な方法はないかな…
私もずっと、そう思っていました。
以前、田舎での自給自足の暮らしを描いた物語で、畑をしているお母さんが、外出中にモンシロチョウを手で「パチン」と捕まえる場面を見たことがあります。私も子どもと一緒に見ていて、ちょっとびっくりしました。
でも自分で野菜を育ててみると、子どもの言葉を借りれば、あの行動に「わかりみが深い」と感じます。それはまさに、「食べる」という私たちの営みが、ほかの生き物の命の上に成り立っていることを痛感する瞬間でした。
そこで私は、虫がついてから慌てるのではなく、まずは防虫ネットと不織布で防ぐことに。それでも被害が広がってしまったときには、有機JAS規格の薬剤を使うようになりました。マンションのベランダで10年以上、続けている方法です。
この3つで、虫にかける労力は激減し、収穫量はぐんと増えました。
この記事では、まず虫別の早見表。そして害虫対策3選を軸に、それだけでは防ぎきれないコガネムシ、その他の対策、虫と鳥それぞれの特徴、見守りたい益虫までご紹介します。
ぷちこベランダ菜園は、もっと楽になります!
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ベランダに出る主な害虫・鳥と、その対策
早見表
ベランダ菜園の害虫対策3選
害虫対策でいちばん効果的なのは、あらかじめ虫を寄せつけない・侵入させないことです。さらに発生してしまった場合にも早めに対策をすれば、被害を抑えることも可能になります。
- 目の細かい防虫ネット
- 不織布
- 有機JASの薬剤
ご自身のベランダや育てる野菜に合わせて選んでみてください。
対策① 目の細かい防虫ネット(0.25mm)
外部からの害虫の侵入を物理的に防ぐのは、効果的で安全な方法です。鳥害対策にもなります。
特にアブラムシのような微小な害虫には、網目の細かいネットが有効です。ホームセンターでは1mm前後のものが一般的で、それより細かいものはネット販売店で扱っていることが多いようです。
農業の現場では、アブラムシやアザミウマのような小さな虫を防ぐには、0.4mm以下が目安とされています。0.25mmは、そこからさらに細かいものです。
これまでの園芸施設では、一般的に0.6~0.8mm目合いの防虫ネットが適用されてきましたが、(中略)これら微小害虫の侵入を抑制するには、従来よりも目合いの小さな0.4mm以下の防虫ネットを適用することが推奨されています。
私は細目0.25mmという非常に細かい網目のものを愛用しています。1mmのものではアブラムシの侵入を防ぎきれず、また蝶や蛾にネットの外から卵を産みつけられることもあります。0.25mmは柔らかくて加工しやすく、ベランダでの取り回しが楽です。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 小さな害虫まで強力に防ぐ 蝶や蛾に外から産卵されにくい コガネムシやバッタも入れない かけたまま水やりできる 光をよく通す 洗って繰り返し使える | 目が細かいほど高い 薄手で破れやすい ハダニは防ぎきれないことも 通気性はやや劣る |
ハサミで切って、ホチキスで袋状にすれば、プランターごとすっぽり覆えます。多少の遮光にもなります。
ぷちこ一度この細かさを使うと、
他の網目では物足りなくなりました。
値は張りますが、私にはこれがいちばんです。
鳥などによる被害もあるので、冬もかけたままにしています。
対策② 不織布(べたがけシート)
繊維を絡み合わせてシート状にしたもので、防虫ネットと同様に柔らかく加工しやすいのが特徴です。防虫だけでなく、コガネムシの成虫を土にもぐらせない土表面カバーとしても活躍します。乾燥を防ぐマルチングとしても使えます(使い方はキュウリの記事へ)。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 目が細かければハダニも防ぐ 保温・保湿ができる 切り込みを入れて部分的に使える 支柱なしで直接かけられる 安くて手に入れやすい 洗って繰り返し使える | 薄手だと破れやすい 通気性はやや劣る 光の通りは防虫ネットより落ちる |
苗が小さいうちは支柱なしで直接かけられるので「べたがけシート」とも呼ばれます。100円ショップでも手に入り、かけたまま水やりできます。
ぷちこコガネムシ対策には、株元に不織布から。
蒸れや湿気が心配な時期は、目の細かい防虫ネットで覆うこともあります。
対策③ 有機JASの薬剤
日頃のお世話をこまめにして植物を健康に育てると、虫がつきにくい強い株になります。それでも害虫を避けられないことも。広い範囲についてしまったときに、自然由来の薬剤を頼ります。
私が虫に使っているのは、次の2つです。どちらも希釈して使うタイプでコンパクトに保管でき、都度必要な分だけ作れます。
- アーリーセーフ……アブラムシ・ハダニに
- STゼンターリ顆粒水和剤……アオムシ・ヨトウムシに
いずれも、次の3つの観点から選びました。
- 有機栽培でも使用OK
- 食品由来
- 家族が食べても安心か
アーリーセーフ:アブラムシ・ハダニに
| 適用病害虫 | ハダニ・アブラムシ・コナジラミ・トマトサビダニ・チャノホコリダニ・うどんこ病 |
| 有効成分 | 脂肪酸グリセリド(ヤシ油由来) |
| 剤型・区分 | 乳剤/普通物 |
| 容量 | 100ml |
| 適用作物 | 野菜類・ハーブ |
| 使用時期 | 収穫前日まで・回数制限なし |
| 農林水産省登録 | 第21767号 |
「アーリーセーフ」(KINCHO園芸/旧・住友化学園芸)は、アブラムシ・ハダニ・うどんこ病に特化した製品です。脂肪酸グリセリドを主成分とし、害虫の体表面を覆って窒息させたり細胞を破壊したりして効果を発揮します。
天然物(ヤシ油)由来で、有機JAS規格(オーガニック栽培)でも使用できます。化学合成農薬に抵抗がある方でも比較的使いやすい薬剤です。
STゼンターリ顆粒水和剤:アオムシ・ヨトウムシに
| 適用病害虫 | アオムシ・ケムシ・ヨトウムシ・ハスモンヨトウ |
| 有効成分 | バチルスチューリンゲンシス菌(BT菌) |
| 剤型・区分 | 顆粒水和剤/普通物 |
| 容量 | 20g |
| 適用作物 | 野菜類・果樹類・いも類・豆類 |
| 使用時期 | 収穫前日まで |
| 農林水産省登録 | 第21734号 |
「STゼンターリ顆粒水和剤」(KINCHO園芸/旧・住友化学園芸)は、チョウやガの幼虫(イモムシ)・ヨトウムシに効果を発揮する、バチルスチューリンゲンシス菌(BT菌)を含む製品です。BT菌は自然界にも存在する微生物で、これを食べたイモムシは消化管が麻痺して、やがて葉を食べられなくなります。
人体や天敵への影響が少なく、有機JAS規格にも適合しています。ピーマンやブロッコリーなど、葉を食害するイモムシの被害が多い作物におすすめです。
BT菌は、日本の養蚕から見つかった!
じつはこの菌、最初に見つかったのは日本の養蚕でした。1901年、カイコの病気を調べていた石渡繁胤(いしわた しげたね)という研究者が見つけた菌です。
10年後にドイツで同じ菌が見つかり、その土地の名前から Bacillus thuringiensis と名づけられました。納豆菌と同じ、バチルス属の仲間です。
使うときに気をつけていること
どちらも、用法用量を守って使っています。使える野菜と虫は製品ごとに決まっているので、お手持ちの表示を確認してから使ってください。同じ薬剤でも、野菜によって書かれている虫の名前が違います。
手作りの溶液のように葉焼けさせたり枯らしたりすることがなくなり、収穫も散布の翌日からOKなものが多いのも助かります。
害虫の発生は夏の暑い時期に重なりがちですが、多くの市販薬剤は蒸散や葉焼けを避けるため夕方の散布が適しています。昼間の炎天下での虫取り作業が激減し、体力の消耗をぐっと抑えられました。
お手元の表示で分からないときは、農林水産省の「農薬登録情報提供システム」で、農薬の名前や野菜の名前から調べられます。
もうひとつ、ベランダならではの注意です。上下左右にお家があるので、私は風の弱い日を選んでいます。
住宅地内及び住宅地に近接した農地(市民農園や家庭菜園を含む。)において栽培される農作物の病害虫防除に当たっては、次の事項を遵守すること。(中略)農薬散布は、無風又は風が弱いときに行うなど、近隣に影響が少ない天候の日や時間帯を選び、風向き、ノズルの向き等に注意して行うこと。
コガネムシ:3選だけでは防げない、憎いあいつ
私のベランダ菜園の歴史は、コガネムシの幼虫との戦いの歴史とも言えるかもしれません。
コガネムシだけは、さきほどの3選だけでは防ぎきれませんでした。成虫は土にもぐって卵を産み、かえった幼虫が土の中で根を食べてしまいます。
地上から見えないので、最初は「芽が出たあとの育ちが、なんだか悪いな」と思うくらいです。被害が進むと株がぐらつき、抜けそうになることもあります。苗を植えてしばらく経ってから気づいたときの落胆は、なかなか大きいものです。
コガネムシが適用害虫に入っている有機JAS適合の薬剤は、本記事の執筆時点では見当たりませんでした。だからこそ、入れない工夫と、土のリセットの2本立てで向き合っています。
成虫を土にもぐらせない
いちばん効くのは、卵を産ませないことです。コガネムシは成虫が土の中へもぐり込んで卵を産むので、産む場所をなくしてしまいます。
ミニトマト・キュウリ・ナスのように株が大きく広がる野菜は、防虫ネットで全体を覆うのが難しいので、土の表面を不織布でふさぎます。
プランターの大きさに合わせて、少し大きめにカットする。
株元だけ通る大きさに穴を開けて、苗を上に出す。
または大きめの不織布をくしゃっとさせ、プランターの端から端まで敷き詰める。
必要に応じて支柱を立て、ヘアピンやUピンで留めておさえる。
すぐにやる! 植えた直後の不織布
種まきのときや、苗を植えた直後に、すぐ行うのがポイントです。成虫が飛んでくる前にふさいでしまえば、あとの苦労がまったく違います。
幼虫が心配なときは、土を水につける
幼虫が出てしまったときや、見えなくても心配なときに、私がいちばん確実だと感じているのが水につける方法です。目で見て大丈夫だと思っても、あとから出てきたことがありました。
栓つきの深型プランターに土を入れる。
一回り大きな容器に入れ子にすれば、重い土を移し替えずに済む。
たっぷり張って、土を沈めてしまう。
そのまま置いておくだけです。
袋に入れて日光で温める太陽熱消毒という方法もあります。ただ、ベランダでは置き場所が限られます。コガネムシの幼虫対策という一点で言えば、水につけるようにしています。
ぷちこ私はこれで、やりました。
その他の対策(+α)
3選やコガネムシ対策に加えて、補助的に使っている方法や、うまくいかなかった方法も、正直にご紹介します。
① 家にあるものを使う
虫が少ないうちなら、家にあるもので間に合います。私が使っているのは、次のようなものです。
- ガムテープ……葉についたものを軽く押さえて取る
- 歯ブラシ……茎や支柱をこすり落とす
- 勢いのある水……葉の裏に当てて洗い流す
- 割り箸……手で触りたくない虫に
- ペットボトル……カメムシなど、触れずに入れられる。苗や種のまわりに被せて保温・保湿に。底を抜けば、虫のよじ登りも防げる
- アルミホイル……株元に敷く。潜り込みを防ぎつつ、光でアブラムシも遠ざけるねらい。ただ破れやすく、風で飛ばされやすい
- 台所用の水切りネット……株元にかぶせる。不織布より通気がよいので、蒸れや湿気が心配な時期に。豆類など、種まき後に掘り返されるのも防げる
でも実は、いちばん確実な方法があります。手で取ることです。家庭菜園では「テデトール」などと呼ばれています。
ぷちこテデトール、私はちょっと苦手です。
↪︎ 割り箸で家族に対応してもらった時の話は、私のピーマン奮闘記に書いています。
② 鉢底ネット・下からの侵入を防ぐ
ベランダ菜園では、上から飛んでくる虫だけでなく、鉢底の隙間やプランターの下側から忍び込む虫もいます。ナメクジやコオロギなどです。
どちらも夜行性で、暗いところにひそんでいます。とくにナメクジは湿ったところを好み、鉢や受け皿の裏にいることもあります。
秋の夜長、コオロギが犯人⁉︎
種まき後、楽しみにしていた新芽が翌日には跡形もなく消えていた…そんな経験はありませんか。
私の経験では、夏の終わりから秋にかけて、夜に聞こえるあの虫の声——コオロギが犯人だった可能性が高いと感じています。新芽を好み、鉢底の隙間からも、横のすき間からも入ってきます。
そこで有効なのが、上を防虫ネットで覆うだけでなく、下からも横からも物理的に防ぐことです。
- 育苗トレイやプランターの底に、鉢底ネットを敷く
- 破れてしまった洗濯ネット・防虫ネット・台所用の水切りネットでも代用できる
- 側面から下まで防虫ネットをかぶせ、紐と洗濯バサミで留める
これを試してから、新芽が消える被害は見られなくなりました。
③ 遮光ネット
真夏の強い日差しは、葉焼けや株の弱りにつながります。弱った株は虫がつきやすくなるので、暑さをやわらげることは、遠回りですが虫の対策にもなります。
ただし、遮光ネットの網目は防虫ネットよりかなり粗いので、虫の侵入を防ぐことはできません。虫を通さないのは、あくまで目の細かい防虫ネットのほうです。
私が使っているのは、遮光率65%ほどのネットです。白色は黒よりもベランダや室内が暗くなりにくく、野菜に必要な光は届きます。
柵側に張ると、つるが柵にからんだり、ムカゴや花がらがベランダの外へ落ちたりするのを防ぐ役目も。通気性のよい目隠しにもなるので、年間を通して使っています。
今年(2026年)は、こんなふうに育てています
遮光ネットをベランダ全体にかけて、夏野菜の防虫ネットは思い切って外してみました。代わりに、株元だけを不織布や防虫ネットで覆っています。
いまのところ、コガネムシやアオムシの大きな被害は出ていません。遮光ネットのおかげなのか、株元を覆っているからなのかは分かりません。土の中もまだ全部は確かめていないので、幼虫がいないとは言い切れません。
↪︎ 暑さで枯れかけた株を、置き場所と遮光ネットで立て直した話は、枯れかけた空心菜が復活!で紹介しています。
↪︎ 使っている様子の写真は、オカワカメの育て方にあります。
④ キラキラテープ
光を反射するキラキラしたテープには、鳥を寄せつけにくくする効果があります。100円ショップのパーティーコーナーにある、CDの裏のように虹色に光るキラキラテープなどでも代用可能です。
光を反射する資材は、アブラムシが嫌うことも分かっています。作物の上に、間隔をあけて吊るす方法です。私のやり方も、ちょうどこの形でした。
ただし、アブラムシよけをねらうなら銀色。黄色やオレンジは、逆にアブラムシが寄ってくる色です。
黄色い粘着シートが虫とりに使われるのは、そのためです。鳥よけだけなら、光れば色は問いません。
市販のシルバーテープ(巾2㎝)を数10㎝片に切断して、定植後に畝上に張ったひもに数10㎝間隔で垂下させることにより(使用法A)、シルバーテープを畝上に水平に伸展する従来法(使用法B)に比べ、よりアブラムシ類の密度を抑制することかできる(原文ママ)
⑤ コンパニオンプランツ
野菜のそばに別の植物を一緒に植えて、育ちを助けてもらう方法です。ベランダは場所が限られるので、私は株元に植えられるものだけを続けています。
マリーゴールド:ネコブセンチュウに
マリーゴールドには、土中で植物の根に寄生するセンチュウ(線虫)を抑制する効果があるとされています。畑では作物の間に混植するのが一般的ですが、狭いベランダのプランターでは、一緒に植えると野菜の生育スペースを圧迫してしまいます。正直なところ、我が家では花よりも食べられる野菜のプランターを優先したいので、実践できていません。
ぷちこ家族に
「ママが育てるのは、
花より食べられる野菜だよね〜」
と言われたことも笑
現実的には、栽培が終わった土に別の鉢で育てたマリーゴールドをすき込む、しばらく植えて土を休ませてから次の野菜を育てる、といった方法が考えられます。
ただし、線虫を減らす働きは、マリーゴールドがしっかり育ってこそです。株の量が少ないと十分な効果は出ないとされているので、プランターに1〜2株では、畑と同じようにはいかないかもしれません。
生育量が少ない場合には、十分な線虫密度抑制効果はみられない。
えん麦(野生種):ネグサレセンチュウに
センチュウには種類があり、対策に使う植物も得意な相手が違います。エンバク(えん麦)の野生種(アウェナ・ストリゴサ。「ヘイオーツ」「ネグサレタイジ」などの名前で売られています)が減らすのは、根が腐ったように褐色になるネグサレセンチュウです。育ててから土にすき込んで使います。
ただし、畑によっては、根にこぶができるネコブセンチュウのほうを増やしてしまうことがあります。こぶのタイプにはマリーゴールドを選びます。もっとスペースがあれば、私も緑肥として試してみたいところです。
ニラなどのネギ類:夏野菜の土の病気にも
ミニトマトやキュウリなどの夏野菜には、株元にニラを一緒に植えています。ただしこれは、虫よけというより病気対策の意味が大きい方法です。
ネギの仲間(ニラ・ネギなど)の根のまわりで育つ微生物が、つる割病や青枯病といった土の病気を抑えてくれます。植え方はキュウリの記事でくわしくご紹介しています。
豆知識・バンカープランツ
よく紹介されるムギ類は、コンパニオンプランツとは少し違い、「バンカープランツ(天敵温存植物)」と呼ばれます。あえてムギにつくアブラムシを住まわせ、それを退治するアブラバチなどの天敵を増やして、野菜を守ってもらう考え方です。
ただし、天敵が増えるまでの場所と時間が必要なので、畑や広い場所向きです。ベランダでは、来てくれた益虫を追い払わないことのほうが現実的だと思っています。
⑥ ニーム
ニームはインド原産の常緑樹で、その種子から抽出される成分には、虫を寄せつけない忌避効果や、虫の生育を阻害する効果があるとされています。天然由来ということで家庭菜園でも人気があります。
ニームは、本記事の執筆時点では、日本で農薬として登録されていません。商品は、葉面散布剤や肥料として売られています。
ここからは、私が使って感じたことです。
スプレーを使った経験談:ニームオイルを希釈して葉にスプレーする方法があります。アブラムシ対策やトマトのツルが割れた時などに吹きかけて、株が持ちこたえたことはあります。
ただしニーム独特の強い匂いがあり、マンションのベランダのような狭い空間では、時間帯や風向きに十分な配慮が必要です。お隣が窓を開けている場合などを考えると、私には使いどころが少し難しいと感じました。
現在は、匂いの気になりにくいレモングラスなどの成分が入った商品もあります。
堆肥として使ってみて:ニーム成分を含んだ堆肥も試しました。使う前にすでに幼虫がもぐり込んでいたのかもしれませんし、私の使い方が悪かったのかもしれません。
害虫よけとしての手ごたえは感じにくかったものの、堆肥としては優秀でした。栽培途中に増し土をしたキュウリ・ナスの実が、その後よくできるという嬉しい成果もありました。
防虫ネットなど他の対策と組み合わせる補助として考えると良いかもしれません。
原液タイプ
水で薄めて使う
そのまま使えるタイプ
薄めずに撒ける・レモングラスの香り
土に混ぜるタイプ
堆肥として使う
⑦ 粘着シート
吊るしておくだけで、飛んでくる虫を捕らえてくれるものです。ただ、我が家の狭いベランダには、少し強力すぎたようです。
細かい目の防虫ネットにくっついて破いてしまい、支柱にもはりつき、野菜の葉まで持っていかれました。はがすのに一苦労でした。
ぷちこ最後には、私が捕まってしまいました笑
広いベランダや畑など、空間をとれる場所では威力を発揮すると思います。
⑧ 手作りスプレー(酢・重曹など)
虫がついてしまったときは、まずは水だけで流してみるのがいちばん手軽です。それでも減らないときに、酢や重曹を薄めてまく方法もあります。
酢・重曹・石灰などを薄めてまいたことがありますが、濃度を守って希釈してもなぜか葉焼けさせたり枯らしたりすることが多く、うまくいきませんでした。
実は、お酢も「農薬」です
「農薬を使いたくないから、お酢で」と考える方は多いと思います。私もそうでした。
でも食酢と重曹は、農林水産省が「特定防除資材(特定農薬)」に指定しています。安全性が高いとされる資材ですが、農薬であることに変わりはありません。
指定されているのは、エチレン・次亜塩素酸水・重曹・食酢・天敵の5つだけです。
特定防除資材は、原材料に照らし農作物等、人畜及び水産動植物に対し害を及ぼすおそれがないことが明らかなものとして指定されたものですが、たとえ食品であっても大量に摂取したり目に入れたり、環境中に散布しても全く問題がないわけではありませんし、全ての特定防除資材があらゆる濃度や使用量であらゆる病害虫に使用して効果があるわけではありません。
手作りのものは濃度が安定しないぶん、かえって株を傷めることがあります。私は有機JAS適合の市販品に切り替えてからは失敗が少なくなり、今はそちらに落ち着いています。
⑨ 米ぬかを置く
イモムシが食べてお腹を壊す、という方法を聞いて試したことがあります。ただ、コバエも発生してしまい、ベランダには向かないと感じました。
米ぬかが土に混ざると、分解のときに微生物が窒素を使うので、苗が弱ることがあります(窒素飢餓)。土ができていない状態だと、なおさら起こります。
ぷちこ虫を減らそうと置いたのに
別の虫を呼んでしまいました。
米ぬかにかぎらず、未熟な堆肥や有機物を土の表面に置くと、コバエを呼びます。土に混ぜ込むか、表面は不織布でふさぐのが確実です。蒸れが心配な時期は、通気のよい防虫ネットに替えます。
ちなみに米ぬかは、プランター堆肥では主役級の材料です。同じものでも、使いどころが違うのだと思います。
主な害虫と鳥、それぞれの特徴
虫ごとの特徴
- アブラムシ
- ダニの仲間
- コナジラミ
- アザミウマ
- アオムシ・ヨトウムシ
- コガネムシ
- 成虫は葉や花を食害する。
- 厄介なのはその幼虫。土の中に潜み、植物の根を食い荒らす。
- 株がぐったりし、水をやっても元に戻らない。病気かと思ったら幼虫だった、ということも少なくない。
- 産卵のために飛来するので、成虫を見かけたら注意が必要。
- 対策:防虫ネット・不織布での土表面カバー・水につける方法
- カメムシ
- ウリハムシ
- コオロギ
- 夜行性で、種まき後の柔らかい新芽を好んで食べる。
- 鉢底の隙間などから侵入するため、上を覆うだけでは防ぎきれない。
- 対策:下からの侵入を防ぐ工夫
- その他
- ナメクジ、バッタ、センチュウのほか、コバエなど、野菜は食べないけれど気になる不快害虫も来る。
お部屋のダニは、別の虫です
畳や布団にいるのは、チリダニ(ヒョウヒダニ)やツメダニなどの「屋内塵性ダニ類」。死骸やフンがアレルギーの原因になります。ツメダニは刺すこともあります。
ベランダに出るのは、ハダニ・トマトサビダニ・チャノホコリダニなどの「植物寄生性ダニ」。葉の裏や新芽にいて、野菜の汁を吸います。
ベランダにもさまざまな虫がやってきます。その他の対策も合わせてご覧ください。
ぷちこナスやキュウリの実にできる
アザミウマなどの細かい傷は、
目の細かいネットでも防ぎきれません。
家庭菜園なので、
気にせずいただいています。
↪︎ キュウリでのアザミウマについてはキュウリの育て方に、ネギアザミウマんについてはわけぎの育て方ににも書いています。
虫だけじゃない、鳥のこと
冬のある日、柵に何かが止まった音で気づいて、そっと見てみるとヒヨドリがとまっていました。ビーツの葉っぱが食べられていることがあり、「冬だから害虫はしばらく来ないな」と油断していたのです。
それからは、冬でも防虫ネットをかけたままにしています。キラキラテープにも鳥を寄せつけにくくする効果があるとされています。
釣り糸(テグス)は、ヒヨドリには効きにくい
ヒヨドリは体が小さく、空中で止まることもできるため、畑でよく使われる釣り糸(テグス)では防ぎにくいとされています。その点、防虫ネットは目が細かいので、そのまま鳥よけになります。
ただし、イチゴなどで実際に使っている方もいます。ベランダで張るときは、洗濯物や人が引っかからないよう注意が必要です。
鳥にねらわれるのは、冬だけではありません。実が色づく頃は、季節を問わずです。ミニトマトもイチゴも豆類も、色づいてからが本番。
四季なりのイチゴなら、秋もねらわれます。我が家では防虫ネットをかけたままにしているおかげか、夏に鳥の被害に気づいたことはありません。
↪︎ 実を守る方法は、ミニトマトの育て方とイチゴの育て方に書いています。
また、巣を作られてしまったら、自分で取り払う前に確認がいる場合も。管理組合や管理会社、お住まいの自治体の窓口などに相談して、必要であれば、専門の業者に頼む方法もあります。
↪︎ マンションの規約やご近所への配慮は、ベランダ菜園は迷惑⁉︎【要確認】配慮と対策にまとめています。
見守りたい!ベランダに来る益虫たち
害虫を食べる益虫の種類
| 有益生物の名前 | 主な捕食対象や特徴 |
|---|---|
| テントウムシ | アブラムシ、ハダニ、カイガラムシなどを幼虫・成虫ともによく食べる。 |
| クモ | アブラムシ、ハエ、ガ、コバエなど幅広い害虫を網や直接捕食で退治。 |
| カマキリ | アブラムシ、イモムシ、バッタ、コオロギ、カメムシなど多様な害虫を捕食。 |
| トンボ(ヤゴ含む) | 幼虫(ヤゴ)はボウフラ、成虫は小型昆虫などを捕食。 |
| ヒラタアブ(幼虫) | アブラムシを主に捕食。 |
| ヒメハナカメムシ | アザミウマ類を主に捕食。アブラムシやハダニも食べる。体長2mmほど。 |
| クサカゲロウ(幼虫) | アブラムシやカイガラムシなどを捕食。 |
| ゴミムシ | ヨトウムシ、コナガ、チョウ・ガの幼虫など多様な害虫を捕食。 |
| アブラバチ・コマユバチ | アブラムシやアオムシなどの体内に卵を産み付け、幼虫が内部から害虫を食べる。 |
| ゲジ(ゲジゲジ) | 不快害虫を捕食。 |
ベランダには、野菜につく虫を減らしてくれる「益虫」などの「有益生物」もやってきます。全ての虫を排除するのではなく、益虫を追い払わずにおいて小さな生態系を豊かにすることも、自然の力を借りた虫対策と言えるかもしれません。
朝グモは縁起が良い(祖母との思い出)
昔からクモは縁起が良いとする言い伝えがあります。私の祖母も「朝蜘蛛は縁起が良い」と言って、午前中に見つけたクモをふんわりと手でつかみ、大切に扱っていました。
今では私自身が、クモを怖がる自分の子供にこの言葉を伝えるようになりました。懐に入れることは到底できませんが、そっと逃がしてあげています。
その他の有益生物
- ミツバチ:害虫を食べるのではなく、受粉を助けて実りを支える。
- ミミズ:土壌改良に役立ち、間接的に植物の健康を保つ。
- カエル:虫全般を食べて、害虫を減らしてくれる。
注意点
要注意!ニジュウヤホシテントウ(テントウムシダマシ)
テントウムシの中には、主にナス科野菜の葉を食べる害虫もいます。代表的なのが「ニジュウヤホシテントウ」、通称「テントウムシダマシ」です。見た目はテントウムシに似ていますが、星の数が違ったり、表面につやがなかったりします。
葉を網目状に食害するので、そんな食害跡があり近くにテントウムシに似た虫がいたら、それはテントウムシダマシかもしれません。
私のベランダでも、ナスで見かけました。葉が網目状になり、同じ株にハダニもいましたが、網目状の食べ跡はテントウムシダマシ、白いかすり傷はハダニと見分けられます。
カマキリやクモなどは、益虫同士や無差別に昆虫を捕食する場合もあるため、バランスが大切です。こうした有益生物を活かすことで、農薬に頼らない害虫防除が期待できます。
害虫被害を乗り越えて(私のピーマン奮闘記)
どんなに気をつけていても、時には大きな害虫に遭遇します。初めてピーマンを育てた時のこと。すくすく育っていた葉が少しずつ減っている気がして、「風でこすれたかな?」という気持ちが、だんだん「いや、減っているぞ」と確信に変わりました。
夜に懐中電灯を照らして出てみると…まるで絵本に出てくるような、いやそれ以上の超特大のアオムシが!
思わず「キャーッ!」と声が出ました。おそらくオオタバコガの幼虫。
自分では触る勇気がなく、夫に割り箸で取ってもらいました。この特大アオムシには驚かされましたが、幸い他の被害は少なく、その後もたくさん収穫できました。
害虫被害にあっても、早めに適切に対処すれば豊作につながることもあるのだと実感した経験でした。
おわりに:守ってあげたい、ベランダの野菜
主な害虫対策は、この3つです。
- 目の細かい防虫ネット
- 不織布
- 有機JASの薬剤
私には、冒頭のお母さんのようにパチンとはできず…これらの方法にたどり着きました。
完璧に防ぐのは難しくても、「あれ?なんか変だな」に気づけば、被害は小さくすみます。
小さいベランダだからこそ、目が届きます。時には益虫の力も借りて、気力も体力も温存しながら、収穫の喜びを味わっていきましょう。
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参考・引用文献(2026年9月参照)
農薬取締法(昭和二十三年法律第八十二号)
https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000082
鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(平成十四年法律第八十八号)
https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000088
農林水産省「有機JASについて教えてください。」(消費者の部屋)
https://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/1707/02.html
農林水産省「特定防除資材(特定農薬)として指定された資材に関連する情報提供について」
https://www.maff.go.jp/j/nouyaku/n_tokutei/tokutei_list.html
農林水産省「特定農薬(特定防除資材)とは?」
https://www.maff.go.jp/j/nouyaku/n_tokutei/about_tokutei.html
農林水産省「農薬登録情報提供システム」
https://pesticide.maff.go.jp/
農林水産省・環境省「住宅地等における農薬使用について」(平成25年4月26日)
https://www.maff.go.jp/j/nouyaku/n_tekisei/jutakuti/20130426tuchi.html
農林水産省「園芸用施設への微小害虫の侵入を抑制する新防虫ネット」
https://www.maff.go.jp/j/kanbo/kihyo03/gityo/new_tech_cultivar/2021/2021seika-09.html
農林水産省「野生鳥獣被害防止マニュアル【鳥類編】」
https://www.maff.go.jp/j/seisan/tyozyu/higai/manyuaru/pdf/r5_tyourui.pdf
農林水産省「農作物につく害虫とその天敵(てんてき)について教えてください。」
https://www.maff.go.jp/j/heya/kodomo_sodan/0201/05.html
群馬県「農薬の適正使用について」
https://www.pref.gunma.jp/page/9246.html
東京都保健医療局「部屋のダニが気になります」(東京都公式ホームページ)
https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/kankyo/kankyo_eisei/jukankyo/indoor/id_faq/id_007
農研機構「キャベツのアブラムシ類およびコナガの紫外線反射資材による防除」
https://www.naro.go.jp/org/warc/research_results/skk_seika/h07/skk95023.htm
農研機構 中日本農業研究センター「マリーゴールド」
https://www.naro.go.jp/laboratory/carc/organic/ryokuhi-sakumotsu/marigold.html
山下伸夫「アザディラクチンが野菜害虫の生存と羽化に及ぼす影響」『東北農業研究』59号, 203–204頁, 2006年
https://www.naro.go.jp/org/tarc/to-noken/DB/DATA/059/059-203.pdf
丸山威「BT製剤利用研究の現状と展望」『植物防疫』58巻11号, 468–473頁, 2004年
https://jppa.or.jp/archive/pdf/58_11_10.pdf
浅野眞一郎「蚕糸昆虫研究におけるBT研究の歴史について」『蚕糸・昆虫バイオテック』77巻3号, 181–186頁, 2008年
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2030771408
染谷信孝・諸星知広・吉田重信「Bacillus thuringiensis―微生物殺虫剤からポリバレント資材へ」『土と微生物』76巻1号, 16–25頁, 2022年
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jssm/76/1/76_16/_article/-char/ja/
※本記事は、これらの情報を踏まえつつ、筆者自身のベランダ菜園での実践経験をもとに構成しています。
